フクロウカフェで働きたい!お仕事内容ややりがい、向いている人などについて聞いてみた
大きな瞳にモフモフの羽がとってもかわいいフクロウたちと触れ合える「フクロウカフェ」。そんなカフェで働くスタッフの仕事内容、気になりませんか?この記事では、アルバイトの仕事内容をはじめ、やりがい、向いている人などを「鳥のいるカフェ谷中本店」の店長、鳥山さんに聞いてみました。
フクロウカフェの仕事はカフェ業務2割、裏方業務が8割!
――モフモフのフクロウをはじめ、たくさんの鳥たちがいますね。おぉ、店内を真っ白なフクロウがよちよち歩いてる! めっちゃかわいい!! この愛らしいフクロウは何者ですか!?
鳥山さん「シロフクロウのシロー君です。うちのアイドルです」
――ふわふわで目がきれい…。見ているだけで癒されます。ここでバイトができたら、日々、癒されますね。カフェスタッフのお仕事は具体的にどんな業務がありますか?
鳥山さん「カフェスタッフといっても、カフェ業務2割、裏方業務8割という感じです」
――ほぼ裏方業務! ところで裏方とはどんな仕事なのでしょうか?
鳥山さん「フクロウたちのお世話ですね。掃除、エサ作り、エサやりなどです」
――フクロウと触れ合えるし楽しそう!仕事は意外と簡単そうですが…?
鳥山さん「掃除は徹底的に行うと3人で4時間かかりますし、営業中もフンの処理などはこまめに行います。エサ作りは小鳥とは違い、フクロウは体が大きいですから食べる量も多い。エサとなる冷凍のうずらやひよこをキレイに洗浄して食べやすいようハサミで切ります。毎日キロ単位の量を切るので、人によってはハサミだこができることもあるんですよ」
――簡単なんて言ってすみませんでした(泣)。やっぱり生き物の世話は大変なんですね…、って、おぉぉ!! 大きなフクロウがいる部屋でフクロウ同士が揉めている。羽を広げるとあんなに大きいんですね。そりゃ、よく食べるわけだ!
鳥山さん「間近で見ると改めて大きいと思いますよね。アルバイトの面接でも“インコを飼っていたので鳥には慣れています”とおっしゃる方がいるのですが、小鳥とフクロウではお世話がまったく違うんですよ」
掃除に数時間、キロ単位のエサ作りは体力勝負の仕事
――では、具体的にアルバイトの1日の仕事内容を教えてください。
鳥山さん「うちの場合は分業制になっていて、アルバイトスタッフは裏方業務がメインで基本的にカフェでの接客や会計は社員がメインで行います。なので、早番は開店前に店内とケージの掃除、エサやりなどを行います。日中は、オンラインショップで販売する用と、お店の子たちの分のエサ作りを裏で行います。遅番は、閉店後に店内の掃除をしながら鳥たちをケージに戻したり、ケージのない子は足場につないだり、水を替えたりして、スタッフがいない夜間も鳥たちが快適に過ごせるような環境を整えます。朝番・遅番、共通しているのは、フンの様子を見たり、エサやりやケージに戻す際、体を触って異常がないか健康チェックをこまめにすることです」
――どのように健康をチェックするのですか?
鳥山さん「フンに何か混じっていないかとか、胸の辺りを触って痩せていないか、太っていないかなど、通常と違うことがないかを見ます。鳥たちの健康維持のためにとても大切なことで、少しの変化も見逃さないような観察力や洞察力が必要になります」
――よく見ていることが大切なんですね。この仕事の大変なところのひとつでもありますね。
鳥山さん「そうですね。生き物の世話がこの仕事の大変なところだと思います。鳥たちをこまめに観察して、居心地が良いように掃除したりエサをカットしたり。フクロウは大きいので、つなぐのも力を使いますし。あくまで主役はフクロウとお客様なので、スタッフは完全に裏方に徹しないといけません」
モフモフのフクロウになつかれる幸せはこの仕事ならでは
――かわいいという気持ちだけでは務まらないですよね。と、思いつつ、シローくんがトコトコ足元に来てくれるとかわいすぎて嬉しくなる!
鳥山さん「それがやりがいや楽しいところだと思います。フクロウって案外なつくんですよ。特にヒナの時期だと遊びたがって、肩に乗ってきたり靴紐をひっぱったりしてきて、小さなモフモフたちに囲まれると本当に幸せな気持ちになります(笑)。もちろん、大きくなってもスタッフの顔を覚えて寄ってきてくれたり、エサをあげると一生懸命食べる姿はとてもかわいいです。また、なかなか飼うことができない珍しい鳥たちのお世話ができるのもこの仕事ならではですね」
――ヒナたちが靴紐をひっぱるとか考えただけでたまりません! 鳥山さん、さっきから奥のほうで「また来てねー」と嬉しいことを言ってくれるかわいい声が聞こえますがあれは…。
鳥山さん「ショウジョウインコのリンゴちゃんです。おしゃべり上手で人の言葉をすぐ覚えるんです。当店はフクロウ以外にも、いろいろな鳥がいますから、生き物好きの方なら楽しいと思いますよ」
――この仕事に向いている人は、生き物が好きで多少は鳥の知識があるとよいのでしょうか?
鳥山さん「生き物が好きなのは大前提ですが、鳥の知識は特に必要ありません。知識は私をはじめ先輩たちが教えますし、働き始めたら身に付いていくので。前知識よりも、言われたことを素直に受け止めて実践できる人のほうが向いています。そして、意外と大事なのが段取りを考えられる人」
――段取りですか?
鳥山さん「鳥がいる中で掃除をするので、普通の掃除より難易度が高めです。どこから片付ければ鳥にストレスを与えず早めに作業を終えられるかを考える力が求められます。あとは先ほど言ったように、生き物ですから毎日状態が変化しますので、その変化に気付ける観察力や細やかな気遣いができる人。“こんなフンをしていました”など、こまめに報告してくれるスタッフだと安心して鳥たちのお世話を任せることができます」
――鳥山さんが面接をする際、こんな志望動機や自己PRだと採用する、というものがあれば教えてください。
鳥山さん「正直なところ、履歴書でしっかり志望動機や自己PRが書けていても、面接でお話しすると目線が合わなかったりと消極的な印象を持ってしまう方もいます。私が採用したいと思うのは、大切な鳥たちのお世話を安心して任せられる方として、面接時にきちんとコミュニケーションが取れて、かつ、なぜここで働きたいかを明確に伝えてくれる方ですね。例えば、「フクロウが本当に好きで真剣にお世話をしたい」「お世話をする中で鳥たちの生態を知りたい」など、たくさんある動物カフェの中で、ここを選んだ理由がはっきりしていると一緒に働くイメージがつきますので」
まとめ
皆さん、フクロウカフェで働くイメージがついたでしょうか。大切なのは、生き物を思う気持ちをもって素直に仕事にあたれるかどうかだそう。生き物を扱う仕事である以上、大変なこともありますが、きっとそれ以上に楽しいことがあるはずです。我こそはと思う人は、ぜひチャレンジしてみてください。

鳥のいるカフェ谷中本店
住所:東京都台東区谷中2-3-16 STビル1F
営業時間:13:00~20:00
休み:水曜
HP:https://toricafe.co.jp/roppongi
取材・文 中屋麻依子/撮影 八木虎造
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。