履歴書の本人希望記入欄│書いて良い事と書くべきではない事、特にない場合の書き方
履歴書の本人希望記入欄は入社にあたっての企業への希望を記載する欄ですが、「希望はどこまで書いていいのか」「特に希望がない場合はどうすればいいのか」など、悩む人も多いようです。この記事では、この欄にどのような内容を書けばいいのか、希望がない場合はどうすればいいのか、書くべきではない内容はどんなことかなど、書き方で気を付けるべきポイントを解説します。
履歴書の本人希望記入欄とは
履歴書の本人希望記入欄には、「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と記載されていることがありますが、自由に自分の希望を書く欄ではありません。「本人希望欄」とは、働く上で絶対に譲れない条件があるときや、採用側に事前に必ず伝えたい内容があるとき、募集職種などに選択肢がある場合などに記入する欄と考えましょう。
企業側は、本人希望欄に書かれている内容は応募者の「絶対条件」と捉える場合もあるため、履歴書の段階では「この条件を満たせなければ入社は辞退する」くらいの最低限の条件のみ記載します。
履歴書の本人希望記入欄に書いて良い事
本人希望記入欄に書いて良い内容は、募集職種が複数ある場合や家庭の事情、勤務開始可能日など、勤務する上で伝えておくべきことや譲れない条件になります。
希望職種
複数職種を募集しており希望職種を記載したほうがいい場合や、企業側から希望職種を記入するよう指示があった場合には、「経理を希望いたします」「テクニカルサポート職を希望します(勤務地は貴社規定に従います)」などと記入します。特に指示されていない場合は特定の職種を書くことは控えましょう。
また、記入する際は職種名を省略せず、求人情報に記載されているのと同じ名称を書きます。このとき書くのは希望職種名のみです。その職種にした理由はここには記載しません。
希望勤務地
正社員募集の場合、勤務地が複数あったとしても企業の配属に従うのが基本です。ただし求人に「勤務地は希望を考慮」と記載があった場合は希望を書いて構いません。
家庭の事情などで譲れない条件がある場合は、「母の介護が必要なため、自宅から1時間以内で通える〇〇支社か〇〇支社を希望いたします」「子どもが小学校に入学するまでの約1年半は東京・神奈川エリアでの勤務を希望します」など、具体的な理由と希望勤務地(またはエリア)を併せて書きましょう。
連絡可能時間
履歴書提出後、面接の日程調整で採用担当者から連絡がくることがあります。在職中で、日中電話に出ることができない時間帯がある場合は記載しておきましょう。
例えば、「現在就業中のため、9時~12時、13時~17時は電話に出ることができません。折り返しお電話致しますので留守番電話にメッセージを残していただくか、メールにてご連絡をいただけますと幸いです」「現在就業中ですが、下記時間帯は電話に出ることができます。連絡可能時間帯:月曜日~金曜日12時~13時、18時以降」などと記載します。連絡可能時間を20時以降など遅い時間に設定すると、採用側の勤務時間外になってしまうことがあるので避けましょう。
勤務開始可能日
現在在職中でこれから退職する場合は、「退職予定日:202〇年3月31日(月)、勤務開始可能日:202〇年4月1日(火)」と退職予定日と、確実に勤務が開始できる日程を記載しましょう。退職が決まっていない場合、予定日時を書いて日付がずれてしまうと、あなたの入社を見込んで準備している応募先企業に迷惑がかかる可能性があるため、選考が進む中で採用担当者に相談をしておきましょう。
健康上の理由や家族の都合
業務を行う上で配慮をしてほしいことや、家族の都合などがあれば書いておきます。持病があっても業務に支障がないのであれば、特に記載する必要はありません。記載する場合は、「通常業務には支障はありませんが、持病があるため3か月に一度病院で検査を受ける必要があり、午前休を取らせていただきたいです」「子どもの〇〇の治療のため、半年に一度総合病院に通院する必要があります。その際には半休を取らせていただきたいです」など、誰のどんな理由で、どのような希望があるのかを説明します。
また、履歴書に「健康状態」欄がある場合は、自分の健康上の内容はそちらに書きましょう。
「特に希望がない」場合の本人希望記入欄の書き方
履歴書の本人希望記入欄に記載すべき内容がない場合や、特に希望がない場合は「貴社の規定に従います」「勤務地、待遇などは貴社の規定に従います」と書くのがマナーです。
履歴書の本人希望記入欄に書くべきではない事
履歴書の本人希望記入欄には、書くことでマイナスな印象を与えてしまう内容もあります。ここでは、本人希望記入欄に書くべきではない内容をピックアップして説明します。書くべき内容、書いてはいけない内容を把握し、選考にマイナスにならないよう気をつけましょう。
「特になし」や空欄はNG
履歴書の本人希望記入欄に「特になし」や空欄にするのは基本的にNGです。「特になし」と書いていいのは資格や免許の欄です。本人希望記入欄が「特になし」や空欄だと、採用担当者に書き忘れと勘違いをされたり、熱意がない印象を与えてしまいます。
給与・待遇など希望条件を書く
履歴書によっては本人希望記入欄に「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と記載されていることがありますが、給与などの待遇面の希望を書いてしまうと譲れない条件として理解される可能性があるので避けましょう。
給与や休日など待遇面で希望がある場合は、履歴書ではなく面接時や内定前に採用担当者に直接確認するようにしましょう。
自己PR・志望動機・特技などを書く
履歴書の本人希望記入欄は、自己PRや志望動機、特技などを書く欄ではありません。履歴書内に別枠で該当する記入欄があるので、そちらに書くようにします。本人希望記入欄に書いてしまうと、マナーを守らない(知らない)人だと印象が悪くなる可能性があります。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。