再就職手当をパートやバイトでもらうには?

再就職手当は、失業手当の受給資格がある人が早期に再就職し、一定の条件を満たすと受け取れる給付です。パート・アルバイトで再就職する場合の受給条件や金額、申請方法について解説します。
- パート・アルバイトでも、雇用保険への加入や雇用期間などの条件を満たせば再就職手当を受給できます
- 受給額は、基本手当日額と失業手当の支給残日数に応じて計算されます
- 再就職手当の申請方法や支給時期、受給後に退職した場合などの対応が分かります。
再就職手当とは
再就職手当とは、雇用保険の給付の1つで、仕事を辞めた後に再就職先が決まると支給されるものです。
雇用保険の給付には、離職後に支給される失業給付(通称)と呼ばれる基本手当(以降、失業手当)がありますが、失業手当の給付期間が3分の1以上残っている間に次の就職先に就職すると、失業手当の代わりに再就職手当がもらえます。
再就職手当の受給条件とは
再就職手当は、パート・アルバイト・派遣社員などの非正規雇用でも、雇用保険や雇用期間などの条件を満たせば受給できます。
失業手当の受給に必要な認定を受けていること
失業手当を受給するには、雇用保険の被保険者期間が原則として離職前2年間に12か月以上必要です。倒産・解雇などによる特定受給資格者や一部の特定理由離職者は、離職前1年間に6か月以上が要件となります。
また、就職する意思と能力があり、積極的に求職活動をしているものの就職できない状態にあることも必要です。ハローワークで受給手続きを行い、受給資格の決定を受けます。
受給資格決定前から内定していた会社ではないこと
ハローワークで求職の申し込みをし、受給資格の決定を受ける前から採用が内定していた会社への就職は、再就職手当の対象になりません。
失業手当の支給期間が3分の1以上残っていること
失業手当の支給期間(所定給付日数)が3分の1以上残っていることが必要です。例えば、所定給付期間が90日の人は、支給残日数が30日以上あるうちに再就職する必要があります。
失業手当の待機期間(7日間)が過ぎた後に再就職すること
失業手当の受給資格の決定日以降の待機期間(7日間)中の再就職は、失業状態にあるかを確認する期間で、手当の対象になりません。
会社都合退職など失業手当の給付開始までの制限(給付制限)が特別に無い人は、待機期間が終わった後の再就職が対象となります。
失業手当の給付制限がある人は、再就職経路の条件を満たすこと
自己都合退職などにより、失業手当の給付制限がある人は、待機期間満了後1か月以内の再就職は、ハローワークや、許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介である必要があります。2か月目以降は、就職経路による制限はありません。
再就職先の雇用期間が1年を超える見込みがあること
再就職手当を受給するには、再就職先で1年を超えて雇用される見込みがあることが必要です。労働契約書に記載された雇用期間が1年以下でも、契約が更新され、1年を超えて雇用されることが確実と認められる場合は対象となります。
ただし、契約を更新できない場合や更新に一定の条件があり、継続して働くことが確実でない場合は対象外です。
再就職先でも雇用保険の加入対象となること
雇用期間のみでなく、所定労働時間も一定以上働くことが前提となります。こちらも労働契約書で確認することが大切です。
再就職先が離職前の会社と密接な関係にないこと
例えば、離職前の会社と資本・資金・人事・取引面などで密接な関係にある事業主への再就職は対象にはなりません。
再就職前3年以内に、再就職手当や常用就職手当の支給を受けていないこと
失業手当には、3年という制限はありませんが、再就職手当には3年以内の再受給はできない制限があります。
再就職手当の受給額と計算方法
再就職手当の受給額は、基本手当の支給残日数によって次のように計算します。
- 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上:基本手当日額×支給残日数×70%
- 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上:基本手当日額×支給残日数×60%
基本手当日額と支給残日数は、雇用保険受給資格者証で確認できます。実際の支給額については、ハローワークに確認しましょう。
再就職手当の申請の流れ・もらえる時期
再就職手当は、以下のような流れでの受給となります。
失業手当の受給申請と就職活動
失業手当の受給申請を行い(詳しい解説はこちら)、ハローワークの案内に従って雇用保険説明会や失業認定を受けながら就職活動を行います。
待機期間中も就職活動や内定は可能ですが、入社日が待機期間の満了前の場合は、再就職手当の対象になりません。
再就職先の決定
再就職先が決まったら、ハローワークへ報告し、再就職先の会社に「採用証明書」を記入してもらいます。採用証明書は、失業保険の受給申請時にもらう「受給資格者のしおり」と一緒にもらえることが多いです。
就職の直前の開庁日にハローワークで失業認定
就職日の直前の開庁日にハローワークへ行き、最後の失業認定をもらいます。採用証明書、失業認定申告書、雇用保険受給資格者証などを提出します。
ここで再就職手当を受給するための「再就職手当支給申請書」「再就職手当支給申請に係る調査書」をもらいます。
再就職手当支給申請書を提出する
最後の失業認定でもらった、「再就職手当支給申請書」「再就職手当支給申請に係る調査書」を記入してハローワークへ提出します。事業主欄を会社に書いてもらい、申請者欄は自身で記入します。郵送でも提出できます。
申請後、審査を経て指定口座へ振り込まれる
再就職手当は、申請後に就職状況や雇用条件などの審査が行われ、支給が決定すると指定口座へ振り込まれます。支給時期は申請後おおむね1か月が目安ですが、書類や審査の状況によって異なります。
パートやバイトの再就職手当についてよくある質問
再就職手当の受給に関する疑問にお答えします。
再就職手当受給後すぐに仕事を辞めたら返還必要?
再就職手当を受け取った後にすぐ退職しても、それだけで返還する必要はありません。元の受給期間内で、新たな基本手当の受給資格を得ておらず、再就職手当に相当する日数を差し引いても支給残日数がある場合は、基本手当を再開できることがあります。早めにハローワークで再求職の申し込みをしましょう
再就職手当の申請を忘れてしまった場合はどうなる?
再就職手当の申請期限は勤務開始の翌日から1か月以内が原則ですが、申請期限を過ぎた場合でも、時効が完成するまでの期間(勤務開始の翌日から2年以内)は申請が可能です。申請を忘れていた場合は、速やかにハローワークに申請するようにしましょう。
再就職先で試用期間がある場合はどうなる?
試用期間中であっても、条件を満たせば事業主は労働者を雇用保険に加入させる義務があります。再就職先で試用期間のありなしにかかわらず、1年を超える雇用が見込まれ、雇用保険の被保険者となる労働条件であれば、再就職手当を受給することができます。再就職先での労働条件について、再度確認してみるといいでしょう。
渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/
※更新履歴:2022年11月29日、2026年9月30日
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