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2026年05月25日

「失業保険」受給中にアルバイトをするには│雇用保険完全マニュアル

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失業保険の受給期間中は、アルバイトをしても良い期間と、してはならない期間があり、誤ると受給額が減るだけでなく、ゼロになることもあります。この記事では、失業保険の仕組みと、失業給付をもらうまでの流れやアルバイトをする際の注意点について紹介します。

💡この記事で分かること
  • 失業給付の申請中から給付中まで、それぞれアルバイトをして良い条件がわかります。
  • 最初の待機期間はアルバイトができませんが、その後は時間や給与上限の中で働くことができます。
  • 上限を超えると、減額や給付開始の先送り、受給不可の対象になります。

失業保険とは

「失業保険」あるいは「失業⼿当」とは、正式には「雇⽤保険」の給付のうち、失業後の求職期間に受給できる「求職者給付の基本⼿当」を指します(ここでは「失業給付」と呼ぶことにします)。

失業給付は、会社の⾃⼰都合での退職、契約満了、突然の倒産や解雇(リストラ)による失業で、⽣活⾯での困難や不安が⽣じそうな⼈に対し、⼀⽇でも早く新しい仕事に就けるよう⽀給されるお⾦のことです。

管轄しているのはハローワークで、受給するためにはハローワークでの手続きが必要です。
失業給付は、雇用保険に加入していて受給条件を満たしていればアルバイトやパートも受給することができます。詳しくはこちらで確認してみてください。

アルバイト・パートが失業保険をもらうには?雇用保険加入の条件とは

失業給付の受給条件

失業給付を受給するためには、「雇⽤保険に⼀定期間加⼊し、現在失業状態にあること、働く意思があり、仕事が決まればすぐに働ける状態であること」が前提になります。退職後、転職先が決まっている⼈や就業の意思がない⼈は支給対象になりません。また、病気、怪我、妊娠・出産などですぐに仕事に就くことができない⼈は、その時点では失業給付を受けることができません。ただし、一定の場合には受給期間の延長手続きができるため、早めにハローワークへ確認しましょう。

①一般受給資格者の場合
他の仕事がしたい、留学したい、資格の勉強をしたいなど、自身の都合により退職した場合は以下となります。

離職の日以前2年間に、被保険者期間(※)が通算して12カ月以上あること

②特定理由離職者の場合
契約更新をしてくれない雇⽌めや、会社の希望退職制度での退職、その他特定の理由での離職の場合です。契約社員や、派遣社員で契約満了して退職した場合も本人が更新を希望していたなどの事情があればこれにあたります。

離職の日以前2年間に、被保険者期間(※)が通算して12カ月以上あること
ただし、
離職の日以前1年間に、被保険者期間(※)が通算して6カ月以上あることでも可

③特定受給資格者の場合
解雇された、会社の倒産など、会社の都合による失業の場合です。

離職の日以前2年間に、被保険者期間(※)が通算して12カ月以上あること
ただし、
離職の日以前1年間に、被保険者期間(※)が通算して6カ月以上あることでも可

(※)雇用保険の被保険者であった期間のうち離職日から1か月ごとに区切っていた期間に、賃金支払の基礎となる日数が11日以上ある月、または、賃金支払の基礎となった労働時間が80時間以上ある月を1ヶ月として計算します。

②特定理由離職者、③特定受給資格者の詳しい要件は、下記ハローワークのページで確認することができます。
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワークインターネットサービス)

失業給付の給付日数、支給額、受給期間

失業給付は、1日あたりいくら(支給額)を何日分(給付日数)、仕事が無くなって以降どのくらいの期間内(受給期間)にもらうかを確認することが重要です。

受給日数の考え方

失業給付が支給される日数を「所定給付日数」といいます。日数は、本人の年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職した理由などによって異なり、分類は次の通りです。

■一般受給資格者

・対象
自己都合で離職した人、定年退職した人

・年齢ごとの給付⽇数(年数は被保険者であった期間)

項目 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
全年齢 90日 90日 120日 150日

■特定受給資格者、特定理由離職者

・対象
倒産、人員整理、リストラなど会社都合で離職した人、雇止めなど再就職などの準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた人

・年齢ごとの給付⽇数(年数は被保険者であった期間)

年齢 1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 120日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 150日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

■就職困難者

・対象
身体障害、知的障害、精神障害のほか、社会的事情で就職が著しく困難な人

・年齢ごとの給付⽇数(年数は被保険者であった期間)

年齢 1年未満 1年以上
45歳未満 150日 300日
45歳以上65歳未満 360日

給付額の計算方法

雇用保険で受給できる1日当たりの金額を「基本手当日額」といい、計算方法は以下となります。

離職した日の直前6か月に毎月きまって支払われた賃金(賞与等は除く)の合計÷180…①
基本手当日額=①のおよそ50~80%(60歳~64歳については45~80%)

基本⼿当⽇額は年齢ごとに上限/下限額が決まっており、2025年8⽉現在は次のとおりとなっています。

※以下すべて日額
※年齢は離職した日の年齢

■⽀給上限/下限額

年齢区分 支給上限額 支給下限額
30歳未満 7,255円 2,411円
30歳以上45歳未満 8,055円 2,411円
45歳以上60歳未満 8,870円 2,411円
60歳以上65歳未満 7,623円 2,411円

■控除額
一律で1,391円
※ここでの控除額とは、失業期間中に労働による収入があった場合、1日当たりの収入から差し引かれる額のこと。

 

受給期間は原則1年

失業給付は、受け取ることのできる期間が決まっています。離職した日の翌日から1年間が原則です。所定給付日数が330日の場合は1年+30日、所定給付日数が360日の場合は1年+60日。しかし、受給期間を過ぎると、たとえ給付日数が残っていたとしても受給できなくなります。

失業給付の受給資格決定時に注意すること

失業給付受給のためにハローワークに離職票の提出と求職の申し込みを行った日を「受給資格決定日」と言いますが、この時に、次のいずれかに該当する場合は、実際に仕事をしていない日も含めて「就職」していると見なされ、失業給付の受給資格がなくなります。

①雇用保険の被保険者となっている期間(原則、週の所定労働時間が20時間以上、31日以上の雇用見込みがあるもの)
②契約期間が7日以上の雇用契約において週の所定労働時間20時間以上、かつ、週の就労日が4日以上の場合は、その契約に基づいて就労が継続している期間

上記「就職」の状態であるかどうかの確認・判断は、各ハローワークにて行っていますので、住居所を管轄するハローワークで確認を取ってください。

 

失業給付受給の流れ

失業給付受給までの流れや、必要な書類、持ち物について解説します。

①ハローワークで求職の申し込み

まず、住居を管轄するハローワークに出向いて求職の申し込みをします。その後、失業給付受給のための手続きを行います。必要なものは下記の通りです。

「雇⽤保険被保険者離職票1と2」
勤めていた会社から交付されます。
「個人番号確認書類」
マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、個人番号が記載されている住民票のうち、いずれか1種類を用意します。
「身元(実在)確認書類」
運転免許証、マイナンバーカード、官公署発行の身分証明書、写真付きの資格証明書などのうち、いずれか1種類。この書類が揃わない場合は、公的医療保険の被保険者証、住民票記載事項証明書、児童扶養手当証書など、種類が異なるものを2種類。なお、コピーでの提出は認められていません。
「証明写真」
正面向き上半身の最近の写真を2枚。サイズは縦3.0cm×横2.5cmです。(マイナンバーカードを持参した場合は不要)
「本人名義の預金通帳あるいはキャッシュカード」
失業給付の振り込み先です。取り扱いのできない金融機関もあるので、不安な場合は事前に問い合わせておきましょう。

ハローワークでは失業給付の受給要件を満たしていることを確認して、受給資格を決定します。離職理由の判定が行われるのも、このときです。

②待期期間

待期期間とは、離職理由にかかわらず⼀律に適⽤される受給待期期間です。、離職理由にかかわらず一律に適用される受給待機期間です。手続きをして受給資格が決定した日から通算して7日間が該当します。この期間は、失業給付を受給できません。

③給付制限期間

⾃⼰都合退職などの⼀般受給資格者は、待期期間終了後、さらに給付制限期間があり、この間は失業給付を受給できません。給付制限期間は令和7年4⽉1⽇以降に離職した⼈は、給付制限期間は原則1か月です。

また、法令違反や社内規定違反、会社に損害を与えたなど、自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された人はこれまでどおり3か月となります。
特定受給資格者、あるいは特定理由離職者の場合は給付制限期間がないので、待期期間が終了すれば、失業給付の受給が可能です。

④雇用保険受給者初回説明会

雇用保険の制度を理解し、受給に関する大切な事項を把握するための説明会です。雇用保険受給資格者のしおり、筆記用具などを持参して、指定の日時に出席する必要があります。なお、この場で「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」が渡され、第1回の失業認定日が告知されます。

⑤失業の認定

4週間に1度、失業認定日にハローワークに出向き、求職の活動状況を記入した「失業認定申告書」と「雇用保険受給資格者証」を提出して、失業状態にあることの認定を受けます。

失業給付を受けるためには、前回の認定⽇から今回の認定⽇までの間に、原則として2回以上(最初の認定期間は1回)の求職活動の実績が必要です。ただし、3カ⽉の給付制限がかかる⽅は、待期満了後から給付制限経過後の最初の認定⽇の前⽇までに3回以上の求職活動が必要です。

⑥受給開始

失業が認定されると、指定した金融機関の口座に基本手当、いわゆる失業給付が振り込まれます。休日・祝日や年末年始を含む場合を除き、通常の振り込みは、失業認定日からおおむね5営業日です。

以降は、「⑤失業の認定」「⑥受給」を繰り返します。受給できる期間は、前述の所定給付日数です。

 

失業給付受給中にアルバイトできる期間とは

給付制限期間中や失業給付の受給中でも、ルールを守ればアルバイトは可能です。待機期間や労働時間の制限、ハローワークへの申告義務など注意点を解説します。

求職の申し込みの前はOK

離職してからハローワークに求職の申し込みをするまでの間であれば、アルバイトは自由にして構いません。

待機期間中の7日間はNG

失業給付の⼿続きを⾏い、受給資格が決定した⽇から通算7⽇間の待期期間中は、アルバイトをしたらその日は待期期間にカウントされません。
待期期間を過ぎれば、給付制限期間中や給付期間中でもアルバイトができます。

給付制限期間中はOK

⾃⼰都合による離職など、⼀般の離職者の場合、待期期間を過ぎれば、給付制限期間中でもアルバイトができます。⾃⼰都合で退職した場合は、1カ⽉の給付制限期間(5年間のうち自己都合退職を2回している場合は3ヶ⽉)があるため、何もしなければ無収⼊で⽣活が困窮する場合もあります。そうした事態を回避するために、アルバイトが認められています。

ただし、雇⽤保険加⼊条件を満たす「1週間の所定労働時間が20時間以上」および「31 ⽇以上の雇⽤が⾒込まれる」アルバイトの場合は「就職」と判断され受給できなくなるので、アルバイトをするなら、週に20時間未満までになるように契約することがポイントです。シフト勤務などで、雇用契約書には、「シフト表による」という記載があるだけで、1週間の所定労働時間が明確でない場合には、シフトを組んでもらう際に、1週間20時間未満までにしてもらうようにしましょう。

また、アルバイトの契約期間が明確でないと、「就職」と判断される危険性があります。アルバイトを始める際は、仕事先に「雇入通知書」を書いてもらい、給付制限期間内のアルバイトである証明をハローワークに求められた場合には、提出できるようにしておくと安心です。

アルバイトができる基準(時間数や⽇数)は定められていますが、個別の取り扱いについては各ハローワークに委ねられている可能性がありますので、詳細については必ず管轄のハローワークで確認を取るようにしましょう。

失業給付の受給中はOK

失業給付の受給中もアルバイトは可能ですが、労働時間や給与額によっては失業給付の受給額が減額や先送りになることがあるので注意が必要です(詳しくは下記「失業給付が減額されるケースとは」参照)。

また、アルバイトをする場合には、失業認定日に提出する「失業認定申告書」で、アルバイトをしたという申告をしなければなりません。正直に申告をしないと、失業給付の不正受給として罰則が適用されます。

申告区分は、基本的には1⽇4時間以上の労働をした「就職または就労」と、1⽇4時間未満の労働である「内職または⼿伝い」の2つのパターンです。報酬の発⽣しないボランティア活動なども申告する義務があるので気をつけましょう。

 

アルバイトしたことで受給不可になるケースとは

アルバイトの仕方によって受給給付が制限される場合があります。待機期間中の労働や雇用保険の加入条件、受給期間の超過など、注意すべきケースを確認しておきましょう。

待機期間中にバイトをしてしまう

ハローワークにて雇用保険の給付手続きを行い、受給資格が決定した日から通算して7日間の待期期間中は、アルバイトができません。この期間は、失業状態でなければならないからです。ほんのわずかな収入でも得た場合は、待期期間が延長になってしまうので気をつけましょう。

雇用保険の対象になるほどバイトをしてしまう

アルバイトであっても、雇用保険加入条件を満たすと「就職した」と見なされ、失業給付の支給はされません。
雇⽤保険加⼊の条件とは、「1週間の所定労働時間が20時間以上の場合」かつ「31⽇以上の雇⽤が⾒込まれる場合」です。

受給期間を超える日数のバイトをしてしまう

1日に4時間以上の労働をすると、1日分の失業給付の支給が先送りになります。減額されることはありませんが、働いた日数分、支給開始日が後ろへずれるということです。

ただし、受給できる期間は離職した日から1年ですから、先送りにより受給期間が1年を越えてしまうと支給はされなくなります。

一日の受給額の80%以上稼いでしまう

1日4時間以内までのアルバイトの場合でも、一日の基本手当の金額の80%よりも多く稼いでしまうと、支給されなくなってしまいますので注意しましょう。

 

失業給付が減額されるケースとは

失業給付の受給中に、「内職または手伝い」に該当する1日4時間未満のアルバイトをすると、その収入金額によっては、失業給付が減額あるいは支給されなくなる場合があります。どういう場合に減額もしくは支給なしとなるのか、その考え方を解説します。

なお、Aの式に出てくる控除額は今後変わる可能性もありますが、2025年8⽉時点で1,391円です。

A…基本手当日額+収入(内職等による1日分の収入金額-控除額)
B…前職での賃金日額×0.8上記の結果に基づき、対処が変わります。
1.AがBより少ない、あるいはAとBが同じ金額の場合…全額支給
2.AがBより多い場合…差額が減額されて支給
3.1日分のアルバイト収入がBより多い場合…支給なし

 

失業給付受給中のアルバイトは週20時間未満までがベスト

たとえ1日4時間以内までの労働でも、収入金額によっては、失業給付が減額されたり支給されなかったりします。ところが、1日4時間以上のアルバイトであれば、基本手当の金額は変わらず、支給が先送りになるだけです。

失業給付受給中に収入を得るなら、就職と見なされない「1日4時間以上、週20時間未満までのアルバイト」がベストといえます。

ただし、先送りになった失業給付は受給期間の1年を過ぎるともらえなくなるので注意しましょう。

■失業給付の減額計算例
年齢:30歳
基本手当日額:4,400円
4時間以内の内職を1日(収入):3,000円
前職での賃金日額:6,000円

A…4,400+(3,000-1,391円)=6,009
B…6,000×0.8=4,800

AとBをくらべると、Aのほうが1,209円⾼くなりました。この分が、基本手当日額4,400円の1日分から減額されての支給となります。


認定期間は4週間に1度なので、28日です。内職をしなかった場合は、
4,400円×28日=123,200円
となりますが、内職を1日して3,000円の収入を得た場合は、
4,400円×(28⽇-1⽇)+(4,400円-1,209円)×1⽇=121,991円です。

 

不正受給に注意 該当ケースや処分など

失業給付受給中もアルバイトは可能ですが、収入を正直に申告しないなどの不正受給が発覚すると厳しい罰則が適用されるので注意が必要です。ハローワークで失業給付の受給手続きを行う際などに、「雇用保険は積立貯金ではありません」「不正受給は必ずばれます」と厳しく注意を促されます。

不正受給に該当するケース

ハローワークのインターネットサービスページに、不正受給の典型的な事例として、次のような内容が記載されています。

1. 求職活動に関して正直に申告しなかった場合
失業給付を受給するには、失業認定日から次の認定日までの間に求職活動をしたという実績が必要です。本当は何もしていないのに「求職活動をした」というウソの申告をして受給した場合は、不正受給となります。

2. 就職や就労の状況を正直に申告しなかった場合
就職した、あるいはアルバイトなどの就労をしたにもかかわらず、「失業認定申告書」に事実を正直に申告せずに受給すると、不正受給です。就労には、パートタイマー、アルバイト、派遣、日雇い、試用期間、研修期間なども含まれるので気をつけましょう。

3. 事業を始めたことを正直に申告しなかった場合
自営、請負などのスタイルで事業を始めたにもかかわらず、「失業認定申告書」に記載せずに受給した場合は、不正受給と見なされます。

4. 内職や手伝いに関して正直に申告しなかった場合
内職や手伝いをした事実、得た収入を「失業認定申告書」に正直に記さずに受給すると、虚偽の申告をしたということで不正受給です。

5. 会社役員に就いた事実を正直に申告しなかった場合
たとえ名義だけであっても、会社役員に就任した場合は「失業認定申告書」への記載が必要です。事実を隠して受給すると、不正受給です。

6. 定年退職した人が働く気がないのに失業給付を受給した場合
定年退職をした人が、働く気持ちも、就職できる環境にもないのに、失業給付の受給のみを目的として、虚偽の申告を行うというケースも不正受給の対象です。

不正受給の処分の種類

不正受給が明らかになった場合は、処分が科せられます。
まず、「支給停止」です。不正があった日も含め、それ以降は一切の支給が受けられなくなります。また「返還命令」といって、不正に受給した分の全額を返還しなければなりません。さらに「納付命令」により、不正受給分の2倍に当たる金額相当の納付命令がなされます。返還命令分と納付命令分と合わせると、不正受給分の3倍になるため、その処分は「3倍返し」と呼ばれています。

上記の命令に従わないでいると、新たに延滞金が発生する上、財産の差し押さえが行われることもあります。悪質と判断されれば、詐欺罪で刑罰の対象になります。

不正受給が発覚する理由

不正受給が発覚する理由の⼀つが、雇⽤保険への加⼊です。⾃分では単なるアルバイトのつもりでも、仕事先が「条件を満たしているから」と雇⽤保険への加⼊⼿続きをすることがあります。雇⽤保険を管理しているのはハローワークなので、すぐに発覚します。とくに今では雇用保険加入時にマイナンバーを提出するので、仕事先とハローワークの双⽅に提出するマイナンバーを照合することで、不正受給が⾒つけやすくなっています。

そのほか、ハローワーク職員による家庭訪問などの調査、不正に関する連絡や通報、いわゆる「密告」によって発覚するケースも多いです。

そもそもばれるかどうかという議論の前に、違法なことには手を染めないことが重要です。 意図せずに申告を忘れてしまった場合も罰則の対象になり得ます。アルバイトや収入がある場合、またボランティア活動をした場合も必ず正直に申告しましょう。

 

失業給付受給中に就職すると、再就職手当がもらえる場合も

失業給付の受給期間中に就職が決まった場合の残りの支給額ですが、給付日数が1/3以上残っていて、一定の条件を満たしていれば再就職手当として60~70%受け取れる可能性があります。基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上残っている人は70%、3分の1以上の人は60%となります(支給額の上限あり)。

条件などの詳しい規定はハローワークのこちらのページを参考にしてみてください。
再就職手当のご案内

 

失業給付とアルバイトで失業中の生活維持を

失業給付の受給期間中であってもアルバイトで収入を得ることは可能ですが、基準を超えると減額や先送りになることがあるので注意が必要です。短期や単発のバイトや、長期であっても短時間シフトで入れるものなど上手に使いながら、就職活動を続けてみてください。

■監修
渋田貴正
司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

※更新履歴:
2017年12月16日(初回公開)
2022年9月15日
2026年5月25日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

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