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2016年08月30日

アルバイトは契約期間の途中でも辞められる? 契約内容や解除できるケースを解説

契約期間内はバイトを辞められないってホント?法律をチェック!

「忙しい◎◎の時期だけ」「注文が増える6カ月間限定」など、期間限定のアルバイト契約で働いている人も多いことでしょう。では、こうした期間限定のスタッフとして働いているとき、期間満了前に自己都合で仕事を辞めることはできるのでしょうか。今回は契約限定バイトをやめたいときの正しい対処法を紹介します。

契約期間がある場合、守るのが原則。だが事情によって辞められる場合も

どんなアルバイトでも働きはじめるときには雇用先と「労働契約」を書面で結ぶのが一般的。この労働契約書には1週間、3カ月、6カ月間などの契約期間が必ず記載されています。

ただ、実際にアルバイトをはじめてみると、契約期間を満了せずに退職したくなることもあるでしょう。

基本的に「労働契約」は働く人・会社側の双方が同意のもとで取り交わした契約内容ですので、内容を遵守するのが原則。とはいえ、「原則」があれば例外もあるものです。ここからは、この「例外になる事例」について解説をしていきましょう。

契約期間内でも「やむを得ない事由」がある場合は辞めることができる

契約期間の長さに限らず期間内に辞められる例外があります。その一つは「やむを得ない事由」があるときです。民法第628条によれば、「やむを得ない事由があるときは」は契約を解除することができるとされています。

【やむを得ない事由】

①自身や家族にトラブルが起きたケース
・自身の健康状態が悪化し、働けない
・近親者の世話や病気、介護などで働けなくなった

②職場に問題があるケース
・賃金を支払ってもらえない
・雇用前に聞いていた労働内容とまったく異なる
・違法行為の強要
・職場の環境が劣悪 

ただ、どのような事由があるにしても「突然出勤しなくなる」などの行為は避けたいもの。まずは、上司に報告・相談してみましょう。

<民法第628条>
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

契約期間が1年以上の場合は1年経過すれば「やむを得ない事由」がなくても辞められる

期間満了前に辞めるための例外はもう一つあります。労働基準法第137条によると、契約期間の定めが1年を超える場合は、期間満了でなくとも雇用者に申し出ることで退職できると定められているのです。

たとえば、契約期間が3年だった場合、契約後1年が経過すればバイト先に辞める意思を伝え、退職できるのです。一方、雇う側・会社側は、客観的に合理的な理由であり、社会通念上相当と認められる理由である場合を除き、契約期間満了まで簡単に解雇することはできません。

<労働基準法第137条>
期間の定めのある労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限る)を締結した労働者(第14条第1項各号に規定する労働者を除く)は、労働基準法の一部を改正する法律(平成15年法律第104号)附則第3条に規定する措置が講じられるまでの間、民法第628条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる。

契約期間が3カ月単位の場合は?

原則として、期間の定めがある雇用契約を交わし、その契約を延長するために反復更新が続き、それが長期間におよんでいる場合は、契約は実質的に期間の定めのない契約と変わらない、もしくは労働者が雇用の継続を期待することが合理的と判断されます。そのため、上記のように3カ月の契約が繰り返し更新され、トータルの期間が1年を過ぎた場合は「契約期間の定めが1年を超えた」とみなされ、雇用者に申し出ることで退職できると解釈されます。

最低勤務期間とは?

「アルバイトの募集」などでは、以下のような「最低勤務期間:○カ月以上」などの文言を見かけたことがある人もいることでしょう。

(例)
【最低勤務期間】最低6カ月

上記を見れば「最低勤務期間が6カ月ということは、アルバイトをはじめてから6カ月以内に辞めることはできないのかな」と思う人もいることでしょう。しかし、結論からいうと、「最低勤務期間」は、雇う側・会社側の「希望」であって法的な拘束力はありません。

ただ、場合によっては「最低勤務期間」の合意が有効と判断されるケースもあります。それは、働きはじめるときに契約期間が定まっていない「無期労働契約」を結んだうえで、「最低勤務期間」が設定されているようなケースです。この場合、契約当初の最低勤務期間は「有期雇用契約」、その後の期間は「無期雇用契約」を交わしたものとみなされるため、最低勤務期間に退職するためには「やむを得ない事由」が必要と判断されます。
ただし、これはあくまでも例外なので、基本的には「最低勤務期間」は無効と判断されることが多いようです。

「契約期間あり」は働く側のメリットになる

そもそもなぜ契約期間があるのかというと、「労働者の権利を守るため」です。

今まで説明してきた通り、基本的にアルバイト先やパート先を退職するときには、「やむを得ない事情」があれば認められることが多いですし、1年以上の契約であれば退職することができます。

では、なぜ「契約期間」があるのかというと、契約期間を設けることで雇用者側・雇用される側それぞれに使用者・労働者としての権利や不利益な取り扱いを禁止するための法的な保護がかかるためです。たとえば、使用者には、契約期間中の労働者を一方的に解雇することが禁止されていますが、契約を交わしていない者については簡単に辞めさせることができます。一方、労働者は契約期間中には原則として一方的な理由で辞めることができません。

契約期間をはっきりと示すことは、それぞれの立場が守られるという重要な役割を持っているのです。したがって、雇う側が契約期間を口実として「期間内だからやめられないよ」と告げることや、「契約期間が切れるので明日から来なくていいです」と突然解雇を言い渡すことは、法律に触れる可能性があるという危険性を覚えておきましょう。

契約期間内でもアルバイトを退職する時のマナー

ただ、法律上、契約期間内でも辞めるのは問題ないとはいえ、バイトを辞めるときにはそれ相応のマナーがあります。「いきなり今日を最後の日として、明日、から来ない」「ばっくれて連絡がつかなくなる」というのは、あきらかにマナー違反ですし、今までお世話になった周囲のアルバイト仲間に迷惑がかかることになります。

基本的には、期間限定バイトであっても、民法にある通り2週間前、もしも可能であれば1カ月前には退職の意思を告げるのが「働くうえでのマナー」です。

退職を伝える時は対面で、できるだけていねいに感謝の気持ちを添えながら伝えられるといいですね。

監修
加藤 知美
(社会保険労務士)

総合商社、会計事務所、社労士事務所勤務を経て「エスプリーメ社労士事務所」を設立。総合商社時代は、管理部署の長として指揮を執り苦情処理に対応。人事部と連携し、数々の社員面接にも同席。社労士事務所勤務時代は、顧問先の労務管理のかたわらセミナー講師としても活動。

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