バイトの退職届の書き方(文例)から渡し方まで|退職理由はどう書けばいい?
アルバイトを辞める時も「退職願や退職届は必要?」「提出する場合の書き方は?」「郵送?手渡し?」と、特にバイトが初めての高校生や大学生の皆さん、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、バイトにとっての退職願・退職届をテーマに、書き方と文例を解説します。正しい書き方を知って、バイト先に失礼がないように退職しましょう。
【目次】
バイトを辞めるときに退職願・退職届はいるの?
そもそも正社員でもないのに、バイトを辞める際に退職願や退職届は必要なのでしょうか。
退職願・退職届の提出を求められる職場もある
一般的にバイトを辞めるときは退職願や退職届の提出は不要で、口頭で上司や担当者など同じ現場の一番偉い人に辞める意思を伝えるだけで十分です。ただし、中には書面での提出を求める会社もあり、そういうときは退職願・退職届の作成が必要になります。店長や上司に辞める意思を口頭で伝える際、退職願・退職届を提出する必要があるかどうかを確認しておきましょう。
なお、口頭にせよ書面にせよ、退職の意思を伝える時期については就業規則に従いましょう。退職の意思は遅くとも1カ月以上前までに伝えるのが社会常識です。急な退職者が出て、職場でシフトが回らなくなると、店長や上司、周りのスタッフに大きな迷惑がかかる場合があります。
退職願・退職届を作成するときの注意点
・手書き作成の場合、黒のボールペンまたは万年筆で書く。鉛筆・シャープペンシル・消えるボールペンの使用は不可
・押印が必要(「シャチハタ」などのインキ浸透印は不可)
・PCで作成する場合、印刷用紙は白無地の紙を使用する(手書きの署名と押印は必要)
・会社指定の用紙がある場合は、そのフォーマットに従って作成する
「退職願」と「退職届」の違い
「退職願」と「退職届」。一見同じように思えるかもしれませんが、この2つには意味合いや効力という点で大きく異なる部分があります。
退職願とは
退職願とはその名の通り、「退職させてほしい」という意思を会社に伝えるもので、通常は退職願のほうを会社に提出します。また、退職願は正式に受理されるまで撤回することも可能です。例えば、人間関係の悩みから退職を検討していたものの、関係が改善されて引き続き就業を希望することになった場合や、周囲から説得されて考えを改め、引き続きバイトをしたいと思ったときは、自分から提出した退職願なら撤回できます。
つまり退職願とは、退職するための「お伺い」です。「退職しても良いですか?」というお伺いを会社に行っているという状態であり、退職届のように「辞める」という固い意志表示を示したものではありません。
退職届とは
「退職届」は、退職するという強い意志を一方的に告げるものです。「退職願」との最大の違いは、原則撤回ができないことです。そのため、退職する意思が固まっていなければ、退職届を出すべきではありません。
一方、すでに会社との間で退職に関する合意形成ができている場合に、後から形式上だけ退職届を提出することもあります。逆に言うと、会社へ事前に退職の意思を伝えずにいきなり退職届を提出するという行為は失礼と見なされることがあります。
辞表とは
「辞表を提出する」という言葉がよく使われます。実は辞表というのは、役員など上級職の一部が使用するものです。バイトが「辞表」と書くのは間違いなので、気をつけましょう。
バイトを辞めるときの退職願・退職届の書き方と文例
退職願や退職届というと、何となく難しいイメージを持つ人もいると思いますが、ポイントさえ押さえれば簡単に作成できます。
退職願の文例
手書きで記載するときは、このように縦書きで書きましょう。
もし、パソコンで作成する場合は、下記の文例で日付や会社名、名前を修正し、自分用に作成してみましょう。
私儀
このたび、一身上の都合により、勝手ながら、令和○年○月○日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和○年○月○日
第一営業部 田雲太郎 印
株式会社タウンタウン
代表取締役 ■■■■殿
退職届の文例
同様に、退職届の記載例です。手書きで記載するときは、このように縦書きで書きましょう。
こちらも、もし、パソコンで作成する場合は、下記の文例で日付や会社名、名前を修正し、自分用に作成してみましょう。
私儀
このたび、一身上の都合により、勝手ながら、令和○年○月○日をもって退職いたします。
令和○年○月○日
第一営業部 田雲太郎 印
株式会社タウンタウン
代表取締役 ■■■■殿
退職願や退職届に記載する項目
② 私儀(「私のことですが」という意味で、「わたくしぎ」と読む。「私事」でも可。下ぞろえで記載)
③ 退職理由(「一身上の都合により」でOK。具体的な理由は記載しなくて良い)
④ 退職日(元号でも西暦でも可)
⑤ 文末(退職願の場合には「お願い申し上げます」、退職届の場合には「退職いたします」と記載)
⑥ 届け出(願い出)年月日
⑦ 所属部署名と氏名
⑧ 宛名(会社の最高責任者である代表取締役宛てにするのが一般的。敬称は「殿」)
届け出(願い出)年月日は、退職願または退職届の提出日を記入します。バイトで部署名などが特にない場合は、氏名のみで大丈夫です。
退職願の場合は「退職いたしたく、お願い申し上げます」、退職届の場合は「退職いたします」と、文末が異なりますので注意しましょう。
郵送?手渡し?封筒は?退職願・退職届の提出マナー
作成した退職願や退職届はどのように提出すれば良いのでしょうか。ここでは提出時の注意点をご説明します。
書類は封筒に入れて提出すること
退職願や退職届は、白色無地で中身が透けない二重封筒に入れて提出します。また、封筒の表には「退職願」「退職届」と記載し、裏面には所属部署と氏名を記載します。
退職願や退職届を封筒に入れるときは、書き出しが上に来るように三つ折りにします。最初に下から紙の中央まで折り畳み、次に上から折れば、開いたときに自然と書き出しが上になります。その上で、右上の書き出し部分が封筒裏側の右上になるようにして封筒に入れるのがマナーです。
基本は直接手渡し、事情によっては郵送する
退職願や退職届は、基本的には上司に対面で渡すものです。ただし、自身が体調不良などでバイト先に行けないときや、何らかの事情で職場で上司になかなか会えないとき、バイト先とのトラブルなどの理由でどうしても職場へ顔を出せないときなどは、退職願または退職届を郵送するという方法もあります。
また、上司から「退職願は郵送で送ってくれればいい」といわれたときも郵送で問題ありません。郵送で送る場合は、退職願や退職届に直接切手を貼るのではなく、さらに大きめの封筒を用意して、そこに退職願・退職届の入った封筒を入れてから郵送しましょう。
退職願・退職届を正しく作成して、去り際を美しく
退職願や退職届の文章自体はシンプルですが、押さえるべきポイントはいくつかあります。「どうせもう辞めるのだから」といい加減な対応をするのではなく、退職願や退職届の提出を求められたら、本記事を参考にして正しく作成しましょう。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、バイトを辞めるときも去り際は美しく、常識ある行動を取ることが大切です。
※初回掲載2017年11月15日