スマートフォン用サイトを表示

アルバイトや転職に役立つ情報が満載!最新のお仕事ニュースなら【タウンワークマガジン】

2026年08月31日

103万円の壁はどうなった?159万円・169万円・178万円の壁など、新たな年収の壁をわかりやすく解説

103万円の壁はどうなった?159万円・169万円・178万円の壁など、新たな年収の壁をわかりやすく解説

所得税の「103万円の壁」は、税制改正により2026年から178万円へ引き上げられました。一方、社会保険には税制とは別の加入・扶養基準があります。この記事では、最新の「年収の壁」について解説します。

💡この記事で分かること
  • 2026年の税制改正で、所得税の非課税ラインはかつての103万円の壁を経て、160万円から178万円に引き上げられました
  • 学生世代の親が受けられる扶養控除や、配偶者控除・配偶者特別控除も拡大されました
  • 社会保険は税制と異なる基準で判定され、2026年10月には「106万円の壁」にかかわる賃金要件が撤廃される予定です。

103万円の壁は160万円の壁を経て、178万円の壁へ

これまで「103万円」という数字は、アルバイトやパートなどで働く人自身に所得税がかかり始めるボーダーラインでした。同時に、学生や主婦(主夫)が家族の扶養に入っている場合、親や配偶者の税負担を抑える「扶養控除」や「配偶者控除」の対象となる年収の基準でもありました。そのため、多くの人がこの基準を超えないよう労働時間を調整していましたが、2025年の税制改正で「160万円」へ引き上げられたのち、2026年の税制改正によって「178万円」へと段階的に拡大されました。

 

新たな「178万円の壁」「159万円の壁」「169万円の壁」とは

2026年(令和8年)の税制改正により、「所得税」「特定親族特別控除」「配偶者控除」の3つの控除や非課税枠が大きく見直されました。

これにより、自分自身の所得税非課税枠である「178万円の壁」をはじめ、大学生世代の親など扶養者が受けられる特定親族特別控除の「159万円の壁」、主婦(主夫)の配偶者特別控除が減額され始める「169万円の壁」のすべてが拡大・緩和されます。 

所得税:所得税非課税の壁が178万円に(年収220万円以下)

103万円の壁はどうなった?159万円・169万円・178万円の壁など、新たな年収の壁をわかりやすく解説

所得税の基礎控除が旧制度の48万円から最大104万円に引き上げられ(年収220万円以下の場合)、給与所得控除も74万円に引き上げられました。
これにより、給与収入が年178万円以下で、給与以外の所得がないパート・アルバイトには、原則として所得税がかかりません。(基礎控除以外に所得控除がない場合のみ)ただし、年収が約220万円を超えると基礎控除は段階的に減少します。

◾️2026年以降の所得税:年収別控除額一覧

年収
(給与収入)
基礎控除(※) 給与所得控除 控除額合計
220万円以下 104万円 74万円 178万円
220万円超 ~475万1,999円以下 104万円(※) ~約139万円 ~約243万円
475万2,000円以上 ~ 665万5,556円以下 104万円(※) ~約176万円 ~約280万円
665万5,557円以上 ~ 850万円以下 67万円(※) ~約195万円 ~約262万円
850万円超 ~2,545万円以下 62万円 195万円 257万円
2,545万円超 最大48万円 195万円 最大243万円

※表中の基礎控除104万円・67万円は、令和8年分・令和9年分に適用される特例加算を含む金額です。また、給与所得控除の最低保障額74万円にも同期間の特例が含まれます。令和10年分以後の控除額は異なります。年収区分は給与収入のみの場合の目安です。

 特定親族特別控除:大学生世代は159万円まで親の控除額が変わらない

年末時点で19歳以上23歳未満の子どもなどがいる扶養者を対象とした制度で、旧制度では控除を満額受けるための子どもの年収上限が103万円だったものが、159万円まで引き上げられました。親の年収に制限はなく、子どもの年収が159万円以下であれば63万円の所得控除を受けられ、その分の税金が軽減されます。
159万円を超えると、控除額は段階的に減額され、最終的に197万円を超えると控除は受けられなくなります。

◾️子の年収別 特定扶養控除額

子どもの年収
(給与収入)
※年末時点で19~22歳
控除の種類 親が受けられる控除額(所得税)
136万円以下 扶養控除 63万円
136万円超 〜 159万円以下 特定親族特別控除
(満額)
63万円
159万円超 〜 197万円以下 特定親族特別控除
(逓減)
段階的に減少(例:年収169万→51万円、179万→31万円)
197万円超 控除対象外 0円

 

配偶者控除・配偶者特別控除:満額適用は169万円まで拡大

夫または妻が配偶者を扶養する世帯を対象とした配偶者控除の適用上限が、旧制度の年収103万円から136万円に引き上げられます。さらに配偶者特別控除の満額適用が、年収169万円まで拡大されました(満額38万円)。
ただし、年収が169万円を超えると控除額は段階的に減少し、207万円超でゼロになります。

なお、控除を受ける人の合計所得金額が900万円を超えると控除額は段階的に減り、1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。給与収入のみの場合、合計所得金額1,000万円に対応する給与収入の目安は1,195万円です。

自分のパート
年収
(給与収入)
控除対象制度 控除額(所得税)
夫など扶養者の年収
900万円以下
(給与収入
1,095万円以下)
900万円超〜
950万円以下
(給与収入
1,145万円以下)
950万円超〜
1,000万円以下
(給与収入
1,195万円以下)
〜136万円以下 配偶者控除
(満額)
38万円 26万円 13万円
136万円超〜
169万円以下
配偶者特別控除
(満額)
38万円 26万円 13万円
169万円超〜
207万円以下
配偶者特別控除
(逓減)
段階的に減少
207万円超 控除なし 0円 0円 0円

 

住民税(所得割)は119万円まで非課税

令和9年度課税分(令和8年の収入分)から、給与所得控除の最低額が65万円から74万円に引き上げられ     ます。給与収入のみでほかに所得がない場合、年収119万円以下であれば住民税の所得割はかかりません。ただし、119万円以下でも、市区町村によっては均等割がかかる場合があります。

なお、所得税の非課税枠とは別基準なので、両方を確認しておくことが大切です。

 

社会保険の壁はそのまま残る

今回は税制上の「年収の壁」が見直されました。一方、社会保険は税制とは別の基準で判定されます。短時間労働者に関する月額8.8万円以上の賃金要件は2026年10月に撤廃される予定で、企業規模要件も段階的に縮小・撤廃されます。社会保険には106万円の壁と130万円の壁があります。

106万円の壁:社会保険加入は働き方と勤務先で決まる

学生を除くパート・アルバイトの場合、以下要件を満たすと勤務先の社会保険に加入する必要があります。また、企業規模要件(従業員50人超の企業)も段階的に縮小・撤廃されます。

◾️社会保険加入の条件(2026年8月現在)
・勤務先の従業員数(厚生年金加入者)が51人以上
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が8.8万円以上(年収106万円相当)
・勤務期間が2か月を超える見込み
・学生でないこと

なお、「106万円の壁」の基準となる所定内賃金月額8.8万円以上という賃金要件は、2026年10月に撤廃される予定です。撤廃後も、週20時間以上の勤務要件や勤務先の規模など他の加入条件は残ります。そのため、今後は年収106万円という金額は関係なくなり、「週20時間以上働くかどうか」がより重要になります。

すべての人が対象となる130万円の壁

原則として年収130万円以上になる見込みがあると、配偶者や親などの社会保険の扶養から外れる場合があります。ただし、配偶者を除く19歳以上23歳未満の人は、年間収入150万円未満まで被扶養者として認定される場合があります。勤務先の社会保険の加入要件を満たす場合は、130万円未満でも勤務先の社会保険に加入します。

要件を満たせば勤務先の社会保険に加入するか、勤務先の社会保険に加入できなければ自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要があり、保険料負担が大きくなります。

 

年収別の手取り額シミュレーション

◾️年収別 住民税・所得税社会保険料手取り額

年収 住民税 所得税 社会保険料 手取り
年収106万円
(勤務先の社会保険加入要件を満たさず、家族の扶養に入っている場合)
所得割は負担なし※1 負担なし 負担なし 約106万円※1
年収119万円以下の例
(学生・家族の社会保険の扶養に入っている場合)
所得割は負担なし※1 負担なし 負担なし 約119万円※1
年収119万円以下の例
(パートで勤務先の社保に加入)
所得割は負担なし※1 負担なし 約16.7万円 約102.3万円
年収130万円
(19歳以上23歳未満以外の学生で、親の社会保険の扶養に入っている場合)
約1.3万円 負担なし 負担なし 約128.7万円
年収150万円
(19歳以上23歳未満の学生で、親の社会保険の扶養に入っている場合)
約3.8万円 負担なし 負担なし 約146.2万円
年収159万円以下の例
(パートで勤務先の社保に加入)
約2.5万円 負担なし 約21.3万円 約135.2万円

※1 住民税の所得割は年収119万円以下の場合は非課税ですが、均等割はお住まいの市区町村によりかかる場合があります。
※所得税・住民税は、給与収入以外の所得がなく、所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみとして試算しています。学生の試算では勤労学生控除を適用していません。
※社会保険料は、東京都の協会けんぽの2026年度保険料率、厚生年金保険料率、子ども・子育て支援金率および各年収に対応する標準報酬月額を用いて試算しています。
※主婦・主夫の試算は40歳未満を想定し、介護保険料は含めていません。
※雇用保険料は考慮していません。
※社会保険の被扶養者認定における年間収入要件は原則130万円未満です。ただし、配偶者を除く19歳以上23歳未満の人は150万円未満です。年齢はその年の12月31日時点で判定されます。詳しくは加入している健康保険にご確認ください。
※国民年金保険料、国民健康保険料は免除されているものとします。
※住民税については調整控除は考慮していません。
※住民税の均等割の非課税ラインは119万円として計算しています。実際にはお住まいの自治体の基準をご確認ください。

 

いくらまで稼ぐか、自身や家族の状況を見て判断を

2026年から税金の壁は大幅に緩和され、学生アルバイトやパートで、給与収入のみかつほかに所得がない場合は、年収178万円以下であれば原則として所得税がかからなくなりました。ただし、住民税の課税の壁(119万円)や、社会保険の壁(106万円・130万円、配偶者を除く19歳以上23歳未満の人は150万円)も存在するため、自身の状況や家族と相談してどれだけ稼ぐかを考えることが大切です。

◾️税金・社会保険の年収の壁

年収・基準の目安 主な制度 ポイント
年収約106万円 短時間労働者の社会保険 2026年9月までは、所定内賃金月額8.8万円以上が加入要件の一つです。2026年10月にこの賃金要件は撤廃予定ですが、週20時間以上などの要件は残ります。
年収119万円 住民税の所得割 給与収入のみでほかに所得がない場合、119万円以下なら原則として所得割はかかりません。均等割は自治体によってかかる場合があります。
年収130万円 社会保険の被扶養者認定 原則として130万円以上になる見込みがあると扶養から外れる場合があります。ただし、配偶者を除く19歳以上23歳未満の人には以下の150万円の基準があります。
年収136万円 扶養控除・配偶者控除 136万円以下なら、19歳以上23歳未満の子どもなどは扶養控除、配偶者は配偶者控除の対象となる目安です。
年収150万円 19歳以上23歳未満の社会保険の扶養 配偶者を除く19歳以上23歳未満の人は、年間収入150万円未満まで被扶養者として認定される場合があります。
年収159万円 特定親族特別控除 159万円以下なら、親などが所得税の控除63万円を受けられます。159万円を超えると控除額が段階的に減ります。
年収169万円 配偶者特別控除 169万円以下なら配偶者特別控除を満額受けられます。169万円を超えると段階的に減ります。
年収178万円 本人の所得税 給与収入のみでほかに所得がない場合、178万円以下なら原則として所得税はかかりません。
年収197万円 特定親族特別控除 197万円以下までは控除が残り、197万円を超えると控除を受けられません。
年収207万円 配偶者特別控除 207万円以下までは控除が残り、207万円を超えると控除を受けられません。

 

■監修
渋田貴正

司法書士事務所V-Spirits 代表司法書士。大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
https://www.pright-si.com/

更新履歴:2025年9月30日、2026年8月31日

※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。

早速バイトを探してみよう