学生で確定申告が必要なケースとは。バイト掛け持ちや報酬の場合はどうなる?
一見、学生には関係なさそうな確定申告ですが、アルバイトや、その他youtubeやデリバリー報酬など何らかの収入を得ている人は確定申告が必要になる場合があります。この記事では、学生にも関係がある確定申告の基礎知識を解説します。
【目次】
確定申告とは
確定申告とは、1月から12月までの1年間の所得を計算し、税務署に申告をして所得税を納めることをいいます。申告は収入があった年の翌年の2月15日~3月15日前後までに行います(年によって前後することがあります)。所得税は社会人だけに限らず、学生でもアルバイトやその他の収入があれば、課税の対象になります。
年末までバイト先などに在籍していれば、会社が年末調整という手続きで1年間の所得税を正しく申告しなおしてくれるため、自分で翌年確定申告をしなくても済みます。一方、1年間全ての収入を年末調整で乗せられなかった人は、原則、確定申告を自身で行う必要があります。
バイト代から引かれる所得税の仕組み
バイト代などの給与は、一定の金額を超えると暫定の所得税が引かれた上で振り込まれます。これを源泉徴収と言います。源泉徴収されているかは、給与明細に「所得税」の記載があるかで分かります。
所得税は、バイト収入のみの人は年間で103万円以下ならかかりません。また、103万円を超えている人でも、源泉徴収の税率と正しい税率に差があることもあります。年末調整や確定申告をすることで払い過ぎた所得税が返ってきたり、足りない場合は徴収されたり、という手続きになります。
学生で確定申告が必要なケース
学生で確定申告が必要になるのは、バイトを辞めたり掛け持ち、バイト以外の副収入などにより、12月までの収入を全て年末調整に出せなかった人が対象になります。
年の途中でバイトを辞めた人
会社は年末時点で在籍する従業員に対して年末調整を行うため、年の途中で退職した人は年末調整を受けることができません。退職先から在籍中の源泉徴収票が送られてくるので、それを元に確定申告をします。ただし、退職後に新たなバイトを始めた人のうち、退職先の源泉徴収票を年末前に依頼して新しいバイト先の年末調整に提出できれば確定申告は不要です。
扶養控除等異動申告書を提出していない人
バイト先などに雇用されると、通常11月頃、扶養控除等異動申告書という書類を提出します。扶養控除等異動申告書とは年末調整に必要な書類のひとつで、年末調整を受ける従業員はすべて対象となります。そのため、バイトを始めたタイミングなど、何らかの事情で未提出の人は、年末調整が受けられないため、バイト先の源泉徴収票を持って確定申告を行います。 詳しく見ていきましょう。
複数のバイトを掛け持ちしている人
年末調整は税制上1社でしか行えないため、複数アルバイトを掛け持ちしている人は、メインのバイト先1社の年末調整を行い、その後、掛け持ちバイト先の分を確定申告を行うことになります。
フリマやウーバーなど報酬収入がある
アルバイトのように会社から支払われる給与ではなく、フリマやオークションの売買、クラウドワークなどの成果報酬、ウーバーイーツなど業務委託での報酬、youtubeの広告収入も確定申告の対象になります。
これらが自分のメイン収入源の場合は、諸経費を差し引いた所得が48万円を超えると確定申告が必要です。一方、アルバイトがメインの収入源で、これらが副業の場合は、副業の収入から諸経費を差し引いた所得が20万円を超えると確定申告が必要となります。
・フリマアプリやネットオークション
・クラウドソーシング
└Webライター、プログラミングなど
・ウーバーイーツ
・Youtubeの広告収入
・FX/株
など
確定申告のやり方
確定申告は1月~12月までの所得を翌年の2月15日~3月15日(前後する場合あり)に所轄の税務署へ申告して納税します。
確定申告の方法は、
・税務署のパソコンで作成して提出
・e-Taxでネット申請を行う
などがあります。マイナンバーカードがあれば、スマートフォンでできるe-Taxでの電子申告がおすすめです。
確定申告に必要な書類と書き方
確定申告には以下書類が必要となります。
<用意するもの>
■必ず必要なもの
・確定申告書
・源泉徴収票
・マイナンバー
・身分証明書
・通帳(口座番号がわかるもの)
■対象となる人のみ必要なもの
・生命保険や国民年金の控除証明書
・勤労学生控除の申請をする人は在学証明書
確定申告書は国税庁HPまたは所轄の税務署で入手可能です。
源泉徴収票は、バイト先が企業の場合は通常年末に郵送されてきますが、手元に届いていない場合には勤務先に発行を依頼しましょう。バイトを掛け持ちしている人で郵送されていない場合には、バイト先に確認してください。
マイナンバーは確定申告書に記載する必要があり、提出の際も確認書類としてマイナンバーカードか通知書が必要です。
また、生命保険や国民年金を自分で払っている人は、控除証明書があると控除の対象になります。証明書が保険会社などから郵送されているか確認してください。
勤労学生控除を使う人は
学生で「勤労学生控除申請」を利用したい人は、扶養控除等異動申告書に勤労学生控除に関する事項を書いて出して年末調整を行うか、確定申告で申告するかのいずれかになります。
勤労学生控除が適用されると、給与所得なら130万円まで所得税の支払い義務はありません。一方、年収103万円を超えると扶養家族から外れてしまうので、親などの扶養者の税金が高くなります。自分の所得税がかからず、親の負担を減らすには、年収103万円以下に抑えておくのが無難です。
なお、報酬など給与以外の収入は、48万円を超えると親の扶養から外れるので注意が必要です。
・バイトなど給与収入のみの人…103万円(基礎控除+給与控除)を超えない
・報酬のみの人…48万円(基礎控除額)を超えない
・報酬とバイト両方の収入がある人…報酬が48万円を超えず、かつバイト代との合計が103万円を超えない
※更新履歴
2018年2月9日公開
2022年1月6日、2022年10月14日更新