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2018年09月05日

翔也(DIAURA)インタビュー『すぐには気付かないことも、経験したことは必ずいつか自分の身になる』【俺達の仕事論vol.37】

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト

日夜、洗練されたメロディやリズムでファンを魅惑し続けるヴィジュアル系バンドのアーティストたち。いまは表舞台で活躍する彼らだが、そこに至るまでには様々な苦労体験や成長エピソードがある。この連載では、そんな彼らが日頃語らない過去の出来事やバイト体験について掘り下げます。

“独裁”をコンセプトに、重厚な音楽性と、圧倒的なライヴパフォーマンスが魅力のDIAURA(ディオーラ)のベーシスト。小さい頃から、早く一人暮らしをして独立したかったという翔也さんに、バイトを通して“出来ることの幅が広がった”というエピソードの数々を伺いしました。

 

コミュニケーションをとることで仕事が円滑に進むことを知った

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト——初めてのバイト経験から教えて下さい。

昔から、早く一人暮らしをして独立したいという思いが強かったので、高校1年生の時に地元の薬局で働きました。

——働いてみてどうでしたか?

学校以外で触れる初めての社会だったのと、年上の人ばかりだったので、まずはコミュニケーションをとるのが大変でした。仕事は、レジと商品陳列だったんですけど、レジも慣れるまではテンパりましたね。焦っても顔に出るタイプではないんですけど、友だちのお母さんがお客さんとして来た時に、「ゆっくりでいいからね」って言われたことがあったから、最初の頃はテンパってるのがバレていたんでしょうね(笑)。あと、一度だけ5000円の会計ミスをして、16歳にして人生で最初で最期の始末書を書きました。

——まさに大人の階段ですね。

そうですね(苦笑)。でも、徐々に周囲と仲良くなっていくと、仕事自体もどんどんスムーズになっていきました。自分が困った時になにげなく助けてもらえたり、相手が困っていそうだったら声をかけたり、仕事って一人でするより、人間関係があって言葉を交わすことで、やりやすくなるんだっていうことを知りました。

——そこでのバイトは長かったんですか?

1〜2年ですね。せっかく慣れてきた頃に、その薬局がなくなる(閉店)っていうので、次にコンビニでバイトをしたんですけど、そこは教えられてもいない事で店長にめちゃめちゃ怒られて、その理不尽さに我慢できなくて1ヵ月で辞めました。その時は自分が正しいと思ったことを曲げられなかったんですよね。でも、オーナーとは仲が良くて、辞める時に「あなたの言ってることは間違ってないのにごめんね」って言われたんです。そこで肯定してくれる人がいたのは救いでした。

——どこで働いたとしても人間関係は大切ですね。

本当にそうだと思います。一番長く続いたのは、ピザ屋のデリバリーだったんですけど、そこは同年代の子も多かったし、バイト終わりにご飯にいったりするのもすごく楽しくて、まさに青春でした。人見知りで、ずっと受け身だったのが、ようやく自分から話しかけることが出来てコミュニティを作れたというのも大きかったんだと思います。

 

料理のポイントから基礎知識まで教えてもらったキッチンのバイト

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト——では、ほかに印象に残っているバイトはありますか?

コンビニでバイトをした頃には、もう一人暮らしを始めていたし“料理をちょっと覚えられたらいいかな?”くらいの感覚で高校を卒業するまで飲食店で働いたんですけど、そこはやってみたらイメージと違って、めちゃくちゃ大変でした。

——どんなイメージを持っていたんでしょうか?

チェーン店だったから、ある程度出来ている素材をチンしたり“ちょっと炒めたりすればいいのかな?”くらいに思っていたのに全然違って。野菜も肉も生だし、イチから仕込みもして。

——それまで家で料理は?

一人暮らしの男の料理っていう程度。今は調べればレシピもいっぱい出てくるけど、当時はそんなにネットが普及してなかったから本を買っていましたね。でも、小洒落たものは作れなかったし、そもそもパプリカとか本に書いてあるけど“どこに売ってんだろう?”って(笑)。

——初々しい(笑)。

なので、その店でナスのヘタの取り方や、豚肉はしっかり火を通さないといけないとか、料理のポイントから基礎知識まで教えてもらいました。キッチンは、担当が3つくらいに分かれていて、僕は麺と丼物と揚げ物が多かったから、横で天ぷらを揚げて、後ろで麺を茹でてって結構熱かったんですよね(笑)。でも、めちゃくちゃエビ天を揚げるのはうまいですよ! 一工夫すると衣がふわっとなるんですよ。それが上手にできるとちょっと嬉しくなる(笑)。

あと、うどんを茹でた後に水で締めるのも、店だと大きい水が溜まっているところでバシャバシャってするから、ちょっとした水遊びみたいな感覚がありましたね。そういう小さな楽しみはどっかしらで見つけていました(笑)。でもそれ以外は、特にお昼時とかは、毎日毎日すごい人が入ってきちゃうし、ずっとテンパっていた気がします。

——そこで料理が楽しくなったりは?

その時はバイトが大変すぎて、家で料理をする気になれなくて。自分でちゃんと料理をするようになったのは、20歳を越えてからですね。バンドを本格的にやるようになって、体が資本だから出来るならやったほうがいいなって。それで少し経つと、ちょっとずつ手の込んだ料理をするようになり、次は“人にも評価されたい!”って思うようになって(笑)、友だちが集まった時に作ってあげたりもしました。料理に興味があってバイトを始め、大変すぎて嫌いになり、でもその後に活きてくると思うと不思議ですよね。

 

引っ越しのバイトの翌日に高熱。時給の高いバイトは、大変な仕事だと分かった(笑)

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト——高校卒業後は、また別のバイトをするんでしょうか?

専門学校に通いながら日雇いのバイトをいくつかしたんですけど、引っ越しとかライヴ会場の設営とか、肉体労働が多かったです。1回だけ入った引っ越しのバイトがめちゃくちゃキツくて。疲れてちょっと失敗した時に、「そんなんじゃプロの引っ越し屋になれねぇぞ」って怒られて、心の中で“別にならないし!”って(笑)。大人になった今は、その人が“真剣に仕事に取り組め”って言っていたんだなって分かるんですけど、そのワードセンスが印象に残っちゃいましたね(笑)。しかも次の日に高熱が出て、時給が高いバイトは、それに比例して疲れも大きいんだっていうことを実感しました。

——身をもって知ると。

そうですね。その他だと、ライヴ会場の設営が多くて、その頃は音楽を始めていたから、会場が形作られていくのを見るだけでワクワクしたし、1つのライヴにすごくたくさんの人が動いているっていうのも驚きましたね。

——その頃はもうプロになろうと思っていたんでしょうか?

音楽はやっていたんですけど、どこかで“プロなんて無理だろ”って思っていました。だから、せめて好きなことに携わりたくて、専門学校のギターをつくるクラフト科に通っていたんです。

 

父親からのアドバイス——“迷ったら難しい道を選べ”が後押ししてくれた

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト——とはいえ、その後プロになるわけですがキッカケは?

専門学校の授業の一環で、現場を学ぶために色々なライヴハウスに行っていたつながりで、ライヴハウスに1回就職をしたんです。でもそこで、ずっとライヴを見ているうちに“やっぱり、あっち側の人間っていいな”と思っちゃったんですよね。それで就職を辞めて、音楽でプロになろうって腹を括りました。

——音楽とバイトの両立はどうでしたか?

バンドを始めてからもずっとバイトはしながらだったので、大変な時期もあったんですけど、辛い時は自営業をしている親父によく相談していました。そこで、ずっと「楽をするな、迷ったら難しい道を選べ」って言われていて、その言葉で踏ん張れました。あとは、「心に余裕がないせいで、目的を見失っちゃいけない」とも言われていましたね。

——ステキなアドバイスですね。

はい。でも実は、初めて給料をもらった時は、一人暮らしをするために始めたバイトだったはずなのに、嬉しくて貯金せずに洋服を買いに原宿に行きました。しかも、それが初めての原宿だったんです!(笑)

——ということは……。

お金を手にした瞬間に本質を見失いました(笑)。

——でも、話している表情から、すごく嬉しかったのが伝わってくるので、1度くらいはいいのかなと。それに、今ではファッションブランドも立ち上げていますし。

あははは。そう思うことにします。でも、本当にすっごい嬉しかったんですよね(笑)。

 

自分自身でボーダーを引かずにたくさんの経験をしてみてほしい

翔也 DIAURA V系 ヴィジュアル系 ビジュアル系 インタビュー タウンワークマガジン バイト——では、これまでの経験全てを通して、バイトをしたからこそ得られたものを教えて下さい。

一人暮らしをするとか、音楽を続けるとか“出来ること”の幅が確実に広がったし、経験や知識も身につきました。すぐには気付かないこともあるけど、後々、自分の身になっていることが多いから、経験することが大切なんだと思いますね。人間関係にしても、第一印象で相手を判断しないで、まずは話して相手を理解しようと思えるようになりました。仕事って、一人一人の責任もあると思うけど、お互いに影響しあって成り立っているものだから、何事も自分から閉ざさないようにしようっていうのは心がけるようになりました。

——最後に、これからバイトを始める人へのアドバイスをお願いします。

もともと人見知りだった僕が、デリバリーでは接客をしていますからね。バンドもそうだけど、自分には無理だって思っていることも飛び込むことで、意外と出来ちゃったりするので、自分自身でボーダーを引かずにたくさんの経験をしてみてください!

 

■Profile
翔也(しょうや)

DIAURA(ディオーラ)のベーシスト。ヴィジュアルシーンにおいて“独裁”をコンセプトに、作品のごとに世界観の異なる音楽性を提示。オーディエンスを引き込む圧倒的なステージングも魅力。ファンの名称は愚民。
さらに、今年7月には、もう一つの姿である“ディオーラ”として1st Single「運命開花」もリリース。“ネオダークネス”をコンセプトに活動中。翔也個人としては、商品の買い付けから、デザインまで行うファッションブランド『theVICIOUS(ヴィシャス)』を立ち上げプロデュースしている。

◆DIAURA OFFICIAL SITE:http://www.di-aura.com/
◆翔也 Official Twitter:@shoya_bass

企画・編集:ぽっくんワールド企画 取材・文:原千夏 撮影:DARK RED

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