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2015年03月20日

【街で見かけた「働く人」劇場】メニュー提案が的確すぎるファミレス店員さんの話

ファミレスの店員さん

外に出れば「何かすごい人」になぜか出会う(?)フリーライターのシマヅによる、「働く人」をテーマにしたイラストコラム。今回(第6回目)は、お客さんが求めているメニューを的確におススメしてくれるファミレス店員さんのお話。

『ファミレス』とは、『ファミリーレストラン』の略。

直訳すると「家族向けに食事を提供する店」であり、その名にたがわず多くのファミレスは子どもも大人も満足できるほど豊富なラインナップのメニューをそろえています。

「ランチ」と名付けられているのにディナーでも頼むことができる「お子様ランチ」、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんが孫と食事をする際に「孫に合わせて肉をガッツリ食らうなんてムリじゃのぅ……」となっても安心な雑炊やお粥などの胃に優しいメニュー、そして、「居酒屋に行けるほどお金ないけど外で飲みたい!」という大学生や社会人の懐(ふところ)の味方なビールなどの酒類とソーセージなどのツマミ類

このような感じで、どこのファミレスも品数はとても豊富です。気軽に利用できるがゆえ、もはや「ファミリー」だけのものじゃなくなった「ファミレス」。

筆者(私)も先日、「ファミリー」じゃないし「ファミリー」になる予定もない、そんな男友達と軽く飲むために某ファミレスを利用しました。

あまりお金のないふたりは「お通し代がないのもいいよね」とのんびり会話をしつつメニュー表を手に取ったのですが、「ファミリー」以外の層も意識しちゃったせいか、グランドメニュー、季節のおすすめ、デザート特集、飲む人のために、など、メニュー表が4つもある。しかも、分けているにもかかわらずメニュー表をまたいで被っている品もある。

「グランドメニューに載っている『ソーセージ盛り合わせ』と飲む人用メニュー表に載っている『ソーセージ盛り合わせ』は全く同じ見た目と金額だけど、ソーセージの種類や味付けが違ったりするのだろうか?」と困惑するふたり。しかし、「とりあえず飲みたい」という理由で呼び出しボタン(※)を押した直後、ふたりの前に女神が現れた。

※これ。正規名称不明。
コールボタン

「ご注文はお決まりですか?」と聞いてくる女神(店員さん)。

「とりあえずグラスワイン2つ」と、まずは注文。その後、謎だった『ソーセージ盛り合わせ』について「なんか違うんですか?」と質問するふたり。

女神は言った。「まったく同じものです」と。

お客さんから想定外の質問をされた場合、「少々お待ちください」と言ってキッチンまで確認に行く店員さんが多いなか、女神は即答でした。しかも、「ワインを飲まれるのであれば、こちらの『生ハム』や『アヒージョ』はいかがでしょう? ソーセージよりもワインと合うように味付けしていますよ!」と、お勧めのメニューまで教えてくれるのです。

思わず『生ハム』と『アヒージョ』を注文してしまったのですが、「いや待て、これは客単価を上げようとしているだけじゃないのか?」と疑心暗鬼に陥ったふたり。真意を探るべく「あと、(ワインのツマミにしたいので)『魚介のサラダ』もお願いします」と女神に伝えたところ、なんと!

「赤ワインには生の魚介のサラダよりも、ボリュームが多い『魚介のグリル』(値段も同じ)をおススメします!」と、客単価など全く無視した、完全に「そのお客さんのことを考えての提案」をしてくださったのです!

「ファミレス」の多くが「ファミリー」だけをターゲットにしなくなっている昨今。大衆に受けるために品数を多くするという選択は間違っていないでしょう。けれど、現場で働く身からすると、すべてのメニューがどんな味で何が入っているのかを覚えるのって大変だしメンドクサイし、自分より知っている人(=正社員さん)に聞けばいいや♪と思う人も少なくないかと思います。

しかし、ホールの店員さんが「すべてのメニューがどんな味で何が入っているのかを覚えていること」で、お客さんはファミレスにもホスピタリティを感じることができるわけで、これはとても重要なことではないでしょうか。

ちなみに、女神のおかげで楽しく飲めたその後、会計の際に友人男性が私に気付かれないようコッソリと女神に自分の連絡先を書いた紙を渡そうとしたのだけど女神からは笑顔でさりげなくシカトされていた現場の光景は今でも鮮明に思い出せます。

plofライターシマヅ (Shimazu)
1988年生まれ。フリーライター。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。