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2015年05月15日

【街で見かけた「働く人」劇場】どんな話題にもついてくる博識なカフェマスターの話

博識カフェマスター

外に出れば「何かすごい人」になぜか出会う(?)フリーライターのシマヅによる、「働く人」をテーマにしたイラストコラム。今回(第13回目)は、どんな話題にもついてくる博識なカフェマスターさんのお話。

スタバ、ドトール、エクセルシオールetc……。“カフェ”には様々な特徴があります。それゆえ、お客さんは訪れるカフェを決める際、「フラペチーノのホイップ増し増しが飲みたい!」「安いし禁煙席あるし!」「お酒のメニューあるし!」など、個々のモチベーションを重視します。

筆者(私)は人がたくさんいる大型のカフェが少し苦手なので、選ぶ際のモチベーションはもっぱら「お客さんは多くて10人くらいだけど何となく彼/彼女らの人生に(勝手な)思いを馳せつつ美味しい紅茶と軽食に癒されるお店」……要は、個人経営の小さなカフェにしか行きません。

先日も、都内某所で仕事を終えたクタクタな状態でフラフラと街を散策したところフとクラシカルな佇まいのカフェが目にとまり「これは癒されること確実だ!」と直感しカフェの扉を開けたのですが、癒されることはなかったけれどマスターのおかげでメッチャ有意義な時間を過ごすことになったのです。

カフェの内装は、外装(店構え)と同じく中世ヨーロッパの王室がごとくクラシカルで重厚感があふれていました。お客さんが10人も入ればギッチギチな気もするほどコンパクトな店内には10代と思われる若いお客さんからご年配のお客さんまでいる、幅広い客層ぶり。

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※こんなイメージ

肝心のマスターは、ロマンス・グレーでナイスミドルな、寡黙かつ多少気難しそうな印象です。しかも、マスターがひとりで切り盛りしているから、注文のタイミングにも気をつかってしまう。癒されない! なぜこんなに繁盛しているのか? 料理や飲み物が美味しいからか?

答えは(もちろん料理も美味しいのだけど)、マスターとお客さんの会話にありました。

世界情勢、政治経済、アイドルなど、お客さんがマスターに「どう思う?」的なことを尋ねると「あれはこうだよね」と話題にのってくれるんです。

例えば、「マスターは××(某アイドルグループ)なら誰が好き?」と若いお客さんから訊かれたら「△△。もう脱退しちゃったけど譲れない」とか、「××(某著名人)がテレビで〇×△□(←覚えてない)とか言ってて呆れちゃったよ」とご年配のお客さんが溜め息をついたら「その人の新刊読んだけど、〇×△□って発言は●×▲■(←覚えてない)という考え方に基づいてるんじゃないかな」などといった感じです。

このように、お客さんの話をただ聞くだけでなく「会話の時間」という有意義なモノを与えてくれるマスター。結局私は話しかけずに終わりましたが、周りの会話を聞いていた限りでは確実に博識です。……ただ、そんな博識なマスターにも、全く分からない、理解できないものがあるとのこと。何かって? 「女心」ですって。

plofライターシマヅ (Shimazu) @Shimazqe
1988年生まれ。フリーライター。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。
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