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2015年09月11日

【街で見かけた「働く人」劇場】アレを使ってお店を繁盛させた中古レコード屋の店員さんの話

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外に出れば「何かすごい人」になぜか出会う(?)フリーライターのシマヅによる、「働く人」をテーマにしたイラストコラム。今回(第27回目)は、アレを使ってお店を繁盛させた中古レコード屋の店員さんの話。

中古レコード屋とか、あんまり行かないですよね。楽曲はネットで買えるし、そもそもCDを再生する機械はあってもレコードを再生する機械、つまり蓄音機は、どこの家にも大抵はある……なんてことは、今の時代には考えにくい。

しかし、世の中には、レコードを愛する人が実はけっこういたりします。筆者(私)もその一人です。とはいっても、レコードのジャケットを見るのが好きなだけですし、蓄音機も持っていません。

というわけで、レコードは買わないけれどジャケットを眺めるためだけに、中古レコード店にはよく行きます。

あたりまえですが、だいたいどこのお店も空いています。渋谷のタワーレコードの客入りが100だとすると、大抵の中古レコード屋さんは1くらい。0.9かもしれない。

がしかし、先日行った中古レコード屋さんは、なぜかお客さんでいっぱい。客入り100……いや、90? ……80だったかな。とにかく、お客さんでいっぱい。

なんでこんなにお客さんいるんだろう。中古レコードブームでも来てるのかな。人が多くて少し動きづらいよ空いてるスペースどこ? と思いながら店内を歩き回っていたところ、お店の奥にユッタリとした一角を発見。

目が点になった筆者。なぜか? それは、今まで見てきた中古レコード店にはなかった、「バーカウンター」があったから。

中古レコード屋さんにバーカウンター!? なんでなんで?? と興味を持ち、奇跡的に空いていた一席に座りビールを注文し店員さんに「バーカウンターがある中古レコード屋さんて初めて見ました(来ました)よ!」と興奮気味に言ったところ――

店員さん「あはは、よく言われます。レコードって、もう一部の人の趣味になっているじゃないですか。レコード自体が生産されていないですし、仕方のないことなのですけれど、レコードには“時代と夢”が詰まっている、と僕は思うんです! 今だったら絶対にリリースされない様な曲もあるし、蓄音機で聴くその音自体にも、今の時代にはない趣きがある。それを、より多くの人に知ってもらうにはどうすればいいかと悩んだ結果、たどり着いたのがこのスタイルです。ちなみに、僕はバイトなんですけど、オーナーに懇願して、このバーカウンターを設置してもらいました

えっ、アルバイトさんでも経営に関わる重大な部分に意見して採用されることってあるの? と思いましたが、そこは個人経営店の強みなのでしょう。

バーカウンター内には蓄音機があって、お客さんが購入したレコードを聞きながら飲食もできるという、粋な造り。レコードに興味はないけれど、彼氏や彼女に連れてこられたって人も、お酒を飲んだりお食事したりしながら待っていられるので客入りはうなぎ上り。売り上げもうなぎ上り、とのこと。

人によって違う探究欲と、万人が持ち合わせている飲食欲を合わせた経営。考えた店員さん、あっぱれです!

ちなみに、筆者は興奮しすぎてレコードを見る目的を忘れ、しこたまビールを飲んでベロベロに酔っ払って帰路につき、翌日「私は何をしに行ったのだろう……でもいい経験した」と、謎な罪悪感と幸福感に包まれました。

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plofライターシマヅ (Shimazu) @Shimazqe
1988年生まれ。フリーライター。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。