自己PR│履歴書の書き方と面接での伝え方(例文・サンプルあり)
転職する際、履歴書や面接で、これまでの仕事の経験を踏まえて、応募先で何ができるかを伝える「自己PR」は重要です。アピールできるものが思いつかない…悩みも解決するヒントとともに、履歴書の書き方・面接での伝え方を解説します。
自己PRは、応募先で活かせる「経験、仕事への姿勢」を伝える
転職の場合の自己PRは、仕事の経験(実績やスキル)や、仕事に臨む姿勢(対人能力、長所・進め方)をアピールする項目です。採用担当者に「自社で活躍できる人か」という期待感を持ってもらう事が重要ですので、応募する仕事内容や社風に合うものを選びましょう。
履歴書と職務経歴書に書く自己PRの違いは?
転職活動の際は、履歴書と合わせ職務経歴書を提出するケースがほとんどです。自己PRは仕事の経験の延長で伝える方がスムーズなので、職務経歴書にも自己PRを書くと良いでしょう。内容は、履歴書と同じで問題ありませんが、履歴書の方は簡潔にポイントだけ、職務経歴書の方はより具体的なエピソードが入れられると理想です。文字数は、職務経歴書で200~250文字程度を目安にするとよいでしょう。
自己PRの作成ステップ
1.応募先の会社、仕事内容を詳しく調べる
自己PRは、応募先の募集内容に合った内容にする必要があります。求人情報やホームページだけでなく、店舗など雰囲気を見られる場合は実際に足を運び、できるだけ多くの情報を集めましょう。その会社の扱う商品やサービス、大切にしていること、会社の目指すものなどを理解し、改めて募集要項からどんな人材を求めているのかを考えてみましょう。
2.自分の経験や実績をもとに「何ができるか」を書く
経験や実績は、以下①~⑤の順に考えてみましょう。
②具体的な実績や成果を書く
③成果につながった自分なりの強みや心がけた事
④成果を通じて学んだ事
⑤それが応募先の会社で活かせるかを考える
正社員の経験だけではなく、派遣やアルバイトなど、すべての職歴を振り返り、できるだけ多く書き出し、応募先に合うものを選びましょう。
例えば、飲食店のホールスタッフの場合、
①接客に従事
②リピートするお客様が増えた
③お客様ニーズを先回りして考える力、状況判断力
さらに、リーダーや店長を経験がある場合、
①スタッフの勤怠管理、教育やマニュアル作成、売上管理や予算管理、店内のPOP作成など
②売上の成果やスタッフの安定的な勤怠
③売上を意識して必要な業務遂行をする力、組織を動かすリーダーシップ
などです。
これに限らず、さまざまな業務があるはずです。売上などで表彰された実績があれば、有効な自己PR要素になります。
3.応募先に合うエピソードを選び、作文する
応募先企業の「求める人材像」と、自身の「何ができるか」が洗い出せたら、その会社が求めているスキルや経験と自身の長所や強みとの共通点を見つけ出し、自己PR文を作成します。応募先の募集内容に合っているかをきちんと確認し、採用担当者に期待感を持ってもらうことを意識しましょう。文章の構成は、①これまでやってきたこと(経験)、②実績や③仕事への姿勢など ④応募先に貢献できること という順序書くとまとまりやすくなります。
面接で自己PRを話す時のポイント
履歴書の内容に、もう1要素プラスする
面接で話すときは、履歴書に書いたことをただ繰り返すだけでなく、もう1要素プラスしましょう。職務経歴書にすでに履歴書より詳しく書いた人も、さらに書いていないことを話せると理想です。応募書類を事前に提出している場合、すでに面接担当者は書類に目を通しています。書面では得られていない別の長所や強み、具体的なエピソードを加えることで、より高い期待感を持ってもらうことができます。
話す時間は「1分」を目安に
話す時間は「1分」を目安にするといいでしょう。1分間で話せる文字数は250~300文字程度です。履歴書や職務経歴書に書いたものをそのまま読むのではなく、少し違ったエピソードなどを用意しておくといいでしょう。
人は他人の話を一方的に聞くことにストレスを感じます。1分程度が相手にストレスを与えないギリギリの時間です。要点を整理して話せば、たった1分でも多くのことが伝えられます。
最初に「結論」を伝える
簡潔に相手にしっかり伝えるには、最初に結論から話すといいでしょう。「私の強みは○○です」など、はじめに最もアピールしたいことを簡潔に伝え、次にそれを裏づける実績や具体的なエピソード、最後に自分が貢献できることを力強くPRしましょう。
「自己PR」の例文・回答例
下記に、タイプの異なる4つの例文を紹介します。自分に合った例を参考にして、応募先の募集内容に合った自己PR を作成しましょう。
仕事の実績が数字で示せる場合
自己PRは、具体的な数値を加えることで説得力が増します。売上、達成率、順位など、数字で仕事の実績を証明できる場合は、積極的に伝えましょう。数字があることで、採用担当者の期待感も高まります。
数字で示せる実績ではなく、「仕事への姿勢やスキル」をアピールする場合
職種によっては数字で表しにくい実績もあります。そういう場合には、上司や周囲から評価されたこと、表彰されたこと、仕事で注力していたことなどを伝えましょう。部署や業務に貢献したことを具体的に伝えれば、立派な自己PR になります。
店長やマネージャーなど、「人や組織をまとめる経験」がある場合
実務経験がある場合は、これまで注力してきたこと、評価されたことなどを中心に自己PRを組み立てましょう。経験者ならではの言葉には説得力があり、採用担当者も自社で活躍する姿がイメージしやすくなります。
自己PRが思いつかない時の見つけ方
責任感、真面目さ、協調性、主体性、計画性、柔軟性、コミュニケーション力、リーダーシップなど、仕事や会社が変わっても共通で応用できる能力はたくさんあります。これらのキーワードの中から、自分の長所と重なるもの、自身がこれまで努力してきたこと、評価されてきたことを振り返ってみましょう。具体的なエピソードや他者から言われたことを伝えれば、それが実績やスキルになります。社員経験がなくても、アルバイトや派遣で経験したことも立派な実績です。自信を持って伝えましょう。
長所や短所から自己アピールするときの伝え方はこちらを参考にしてみてください。
・よくある短所一覧|面接で聞かれる短所を長所に言い換える方法
・長所一覧あり|面接で聞かれる”長所”の答え方、見つけ方
アルバイト・パート向けの自己PRの書き方例はこちら
アルバイトやパートに応募する際の自己PRの書き方はこちらの記事を参考にしてみてください。
・【学生編】履歴書の自己PRの書き方
・【フリーター編】履歴書の自己PRの書き方
・【パート編】履歴書の自己PRの書き方
「自己紹介」と「自己PR 」とは何が違うの?
「自己紹介」とは、面接の冒頭などで自分の人となりを説明することです。これまでの経歴を1分程度で簡単に伝えます。内容そのものよりも、面接担当者に「もっと話を聞いてみたい」と興味を持ってもらうことが大切です。一方、「自己PR」 は、仕事に関するスキルや実績をアピールすることです。自己紹介と自己PRは、言葉は似ていますが、目的や伝えるべき内容が異なります。その違いをきちんと理解して面接にのぞみましょう。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。