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2015年07月22日

【街で見かけた「働く人」劇場】店内をすべてキッチン化している居酒屋店主さんの話

店内すべてキッチン化している居酒屋店主さんの話

外に出れば「何かすごい人」になぜか出会う(?)フリーライターのシマヅによる、「働く人」をテーマにしたイラストコラム。今回(第22回目)は、店内をすべてキッチン化している居酒屋店主さんの話。

大きな企業がチェーン展開している居酒屋さんと、個人で経営している居酒屋さん。両者にお客さん目線から甲乙をつけることは、できません。

前者は、飲むお店に迷った際、「あ、ここならだいたいこんな感じだわ」と、ある程度の予想がつくので、勢いに任せて選んだとしても、たいした失敗はないでしょう。
……ただ、「たいした失敗はない」ということは、裏を返せば「お酒もお料理も万人ウケする無難な味」ってことなんだよね、と筆者(私)は思います。

対する後者は、同上の状況に陥った場合、「店構えで判断した限りでは良さ気なお店だけど、やっぱちょっと不安だから、●べ●グで“星”がどのレベルかを調べよう……っておい! お店のレベル以前に一件も口コミがないし電話番号や住所すら記載がないしでアアもうウワアア!!!!」と混乱し、店内に足を踏み入れるのを躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない場合は多くあるでしょう。
……ただ、「一件も口コミがない」(=不自然なまでに褒め称えている口コミもない)ということは、裏を返せば「ボッタクリ居酒屋の可能性も少なく地元の人から長年愛されているお店と味」ってことなんだよね、と筆者(私)は思います。

筆者

▲筆者。「どこかで飲みたいけど見つからない……」的なイメージ画像だと思ってください。

そんなわけで、どこかで飲みたいけどできれば個人経営のお店で飲みたい……そんな気分だった、とある日の私は偶然見つけたこぢんまりとした居酒屋さんの暖簾(のれん)をくぐりました。

美しい女将さんに「いらっしゃい」と言われたあとに見渡した店内は、年季の入った木彫のカウンターテーブルが特徴的な(むしろ席はカウンターしかない)、「ザ・長年地元で愛されている個人経営」のお店そのもの。お客さん用のスペースだけなら6畳くらいしかありません。

その世界観を肌で感じとり「これこれ! コレよ!! 今日の私が求めていたのはコレよ!!!!」と鼻息を荒くしつつ「お品書き」に目を通したところ、お品の数が尋常じゃない。

「これ同じ食材を使いながら調味料を少し変えただけで名前変えて6品くらいにし品数を多く見せているけど味自体はあんま変わらないヤツやろ」的な、よくある「品数カサ増し」とは明らかに違う、食材が被ったとしても2食材までな、ガチなヤツ。

この狭い店内の、どこに尋常じゃないお品の数々を作る食材が眠っているのか気になって仕方がなかったのですけれど、とりあえずハイボールとだし巻き卵を注文した筆者。すると――

「そこ(筆者=私の座っている席の下にナゼかある引き出し)から卵とってもらえますか?」

と女将さんがひとこと。

筆者がキョトンとしていたら、女将さんはもういちど同じことを仰るものですから、言われたとおりに引き出しを開けたところ、引きだし内には美しく並べられた鶏卵たちが。しかも、なんかサバの缶詰とかも一緒に収納されている。

だし巻き卵

▲だし巻き卵

 

「なんだこれ」と思いつつ、食材を渡したところ、数分後には高級料亭で出されてもおかしくないレベルの、美しく、そして美味なフワフワじゅわーッでホクホクなだし巻き卵が筆者の目の前と胃の中に納められました。

女将さんに聞いたところ、「お店が狭いので、食材を置く場所が限られてるのよ。だから、衛生面に問題がないように気をつけつつ、お客さんのスペースにも収納させていただいてるの。迷惑に思っている方も多いかもしれないけれど(笑)」とのことでしたが――

全然まったく何もかも迷惑ではありません!

むしろ、注文する度に色んな場所から食材が出てくるので、「次はどこから何が出てくるんだろう」とワクワクできる、店の狭さを逆手に取ったエンタメ性がステキなお店で、ありがたいくらいです。

……あ、いや、でも、えっと、「どこに何の食材があるのか」が知りたくて必要以上に注文してしまった当時を思いだすと……迷わk……じゃないです! また行きます!!

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plofライターシマヅ (Shimazu) @Shimazqe
1988年生まれ。フリーライター。武蔵野美術大学造形学部芸術文化学科を卒業後、2年ほど美術業界を転々としていたが現在は主にWEB上で文章を書き生計を立てている。女性向けコラム、インタビュー記事、グルメレポート、体験記事など、幅広い分野で執筆活動を行う。