【12月10日はごめんねの日】バイトでのシチュエーション別、理想の謝り方
バイトでミスをしてしまったとき、うまく謝れず、気持ちが伝わらなかった…なんて経験はありませんか?
実は謝り方にもコツがあるものです。シーン別での相手に心が伝わる謝罪の仕方を、All About「話し方・伝え方」ガイドである藤田 尚弓さんにお聞きしました。
オーダー忘れでお客様を待たせてしまったとき
→まずはお客様を待たせている『事実』について謝罪しましょう
このケースではいきなり「あ、確認します」とその場を去ってしまう人も多いのでは?
これは絶対にNGです。
謝罪には順番があるものです。自分が忘れようが、お客様の勘違いであろうが関係なく、まずはオーダーが来ていないこと、お客様に心配をかけている『事実』に対して謝りましょう。
「お待たせしてしまい申し訳ありません。すぐに確認して対応します。」
自分のミスの場合無理にごまかしてしまうと謝罪の効果は減ってしまいます。ごまかすよりは自分のミスであることを伝えた上で、素直に「これから十分に気をつけます」と加えるとベターです。
飲み物をこぼすなどバイトでお客様に迷惑をかけてしまったとき
→相手を気遣う言葉を優先し、その後しっかりリカバリを
このケースでは相手の気遣いが優先。おしぼりで洋服を拭くなど行動でリカバリしてから謝罪しましょう。
そしてもうひとつの大事なことは、言葉と同時に申し訳なさそうな表情を作ることです。ここは、誠意を伝える『表情』『言葉』とのあわせワザでいきましょう。
「大丈夫ですか? お洋服にかかっていませんか?」、「熱くなかったですか?」
(すぐにおしぼりなどを出してリカバリ)
「大変申し訳ありませんでした」
(口を横にして、奥歯をかみしめて、まばたきを多く、少し下を向いて、謝る)
こうするととても申し訳なさそうな印象に見えるのです。
いくら素晴らしい言葉を並べても、人は視覚情報の中で本当に悪いと思っているのか察知するもの。こちらの過失である場合は、表情で誠意を伝えることも大切です。
バイト先に遅刻してしまったとき
→まずは「遅れる」事実を連絡する。出勤したら十分反省を込めて謝罪して
遅刻の場合、とにかく遅れることが分かった時点で電話やメールで連絡することが最優先です。その後、出勤したら直接謝罪しましょう。
直接謝罪をする時、相手があなたに一番に期待することは「反省」です。
「電車が遅れて…」など理由を先に言ってしまいがちですが、これは絶対にNG。なぜなら、反省している印象が減ってしまうからです。
「あろうことか大事なバイトの日に寝坊してしまいました」
「大事な仕事なのに…申し訳ありませんでした」
そもそも、遅刻のケースでは、相手は何に怒っているのでしょう?
実は、遅刻しことよりも、「たかがバイトだと思ってるんじゃないの?」と、バイトを軽くとらえていることに怒っていることも多いのです。
お勧めワードは「あろうことか」。「バイトは自分にとって、非常に大切な事だととらえていたのに、それでも遅れてしまった」いう気持ちを表現することで相手の感情を緩和する効果があります。
「他でもないバイトの日に…」なども、本当は大事に思っていたのに、という想いが伝わるトーク例です。
バイト先で使う道具を壊したり、無くしてしまったとき
→あたふたしている様子で、謝罪の気持ちを察してもらいましょう
このケースでは言葉ではなく、表情、アクションで謝罪を表現しましょう。
しまった!という顔、あたふたと驚いている様子を通して、相手に「わざとではない」ことを察してもらうのです。
まずは不測の事態に、言葉にならないくらい驚いている表情をする。
しまった! と、割れたお皿と店長の顔を見比べるくらい、とにかくあたふたしてみる。
その後、驚きと慌てている様子を交えながら…
「す、すみません」
最後の「すみません」は、声になるかならないかくらいの細さでもいいと思います。男性なら、体育会系のノリで大きな声でおじぎをしながら言うのもいいでしょう。
人は言葉にならないほどの慌てぶりを見ると、しょうがないなと感じるものです。ここは言葉よりも、アクションで乗り切って正解です。
自分のミスが同僚と連帯責任になってしまったときの同僚への謝り方
→あなたが嫌な思いをしてるよね、と「共感」を表して
このケースでは、あなたに嫌な思いをさせてしまった。それを自分もすごく理解しているんだと、相手を察する言葉から入っていきます。
「私のせいでこんな事態になってしまって、本当にイヤな気持ちだよね」
「あなたに責任はないのに、イヤな想いをさせてしまって…」
(小さ目の声で、若干しょんぼりしなから)
「本当に申し訳ない…。イヤな想いをさせてごめんなさいね」
相手にまったく責任がない場合は、相手の気持ちを自分も十分にわかっていると「共感」を伝えることが大切なのです。さらに、同僚に謝罪する時はボソボソっと声を小さ目にしたほうが、あなたが悪く思っていることが伝わるはずです。
まとめ
悪いと思う気持ちはあっても、伝える術を知らない人が多いもの。それはとてももったいないこと! 謝罪の時は、オーバーすぎるかな、と感じるくらいのアクションでちょうどいいのです。上手く表情や声の大きさを作って、人間関係を円滑にしていきましょう。
取材・文:中島典子 イラスト:沼田健

All About「話し方・伝え方」ガイド
藤田 尚弓(ふじた なおみ)さん
http://allabout.co.jp/
企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーションについて考察している。著者に「悪女の仕事術」「NOと言えないあなたの気くばり交渉術」「悪女の恋愛メソッド」「銀座で学んだ稼ぐ人のシンプルな習慣」など。企業や大学などでの講演・研修、またバラエティ番組でのコメンテーター出演も多数。
※文中の社名・所属等は、取材時または更新時のものです。