上司&同僚からの視線、ミスが怖い! バイトの失敗から早く立ち直る方法、教えます
バイトに失敗はつきもの。そうとはわかっていても失敗すると落ち込むし、他人に注意されると時にはバイトへ行くことが怖くなってしまうことも…。
そこで、メンタルヘルスカウンセラー柳原里枝子さんに失敗してしまった時の立ち直り方について教えてもらいました。
考え方や行動のクセを知ることが<立ち直り>のきっかけに
例えば飲食店のバイトで、後から注文したお客様に先に料理を運んでしまって、きつく注意され、落ち込んでしまった…。そういった失敗からの落ち込みってありますよね。
「人にはそれぞれ考え方や行動のクセのようなものがあります。強くストレスを感じる環境下だと、特にその特徴が表れやすいんです」(柳原さん)
他人に同じことを言われても、捉え方や感じ方が違ったり、落ち込み方や立ち直り方に差が生じたりするのはこのためだとか。
「クセは生い立ちやこれまでの人生経験から形づくられるのですが、<こうしなければ>という潜在的な思いこみ、考え方のクセは主に5つのタイプに分かれます」
(柳原さん)
●「完璧であれ」→「出来なくてはいけない」というクセ
●「他人を喜ばせよ」→「人の評価を気にしすぎる」というクセ
●「努力せよ」→「頑張りが認められないと虚しくなる」というクセ
●「強くあれ」→「弱いところを見せられない」というクセ
●「急げ」→「早くしなくてはいけない」というクセ
これを知っておくと、自分が何に対して落ち込みやすいのか、失敗した時にどんな思考に陥りやすいのかがわかってくるといいます。
自分のクセを知るには?
それでは自分のクセを知るにはどうしたらいいのでしょうか。
「自分の傾向を知るには、今、なんで落ち込んでいるのか感情に意識を向けることです」(柳原さん)
注意を受けて「頑張っているのに認めてもらえない」ことに落ち込んでいれば『努力せよ』タイプ。「こんなことで注意されるなんて自分はダメだ」と感じていれば『完璧であれ』タイプの可能性が高いそうです。
考え方のクセは長所も短所も紙一重
「落ちこみは、傾向が強く出た状態なので、『またクセが出ちゃったな』と認識し、そんな自分を許すことで随分気持ちが楽になります。落ち込んですぐには難しいと思いますが、失敗したときのことを紙に書いてみると、より傾向がわかりますよ」(柳原さん)
しかし、考え方や行動のクセは、短所にもなる一方、長所にもなりえそうですね。
「そうですね。例えば『急げ』タイプの人はスピーディーに仕事をこなせるだろうし、『人を喜ばせよ』タイプの人はきっと接客が上手なはず。ですから、自分の悪いところや苦手なことばかりに捉われずに自分の良いところや得意なことにも目を向けられると、意識も変わってくると思います」(柳原さん)
落ち込みからの脱出法
とはいえ、考え方のクセは誰にでもあるもの。落ち込みから早く脱出できる人とそうでない人の違いは何でしょうか。
「自分を客観的に見ることができるどうかの違いですね。客観視できる人は、その状況からいち早く脱却しやすくなります」(柳原さん)
そこで、客観的な視点を持つための具体的な方法を柳原さんに紹介していただきました。
「○○さんだったらどうするかな」と考える
「常日頃からできるだけたくさんの人の意見を聞いて、自分の中に考え方の引き出しを持っておくこと。『○○さんだったらどうするかな』『いやいや、ちょっと待って。こんな考え方もあるんじゃない?』というように違った視点で物事を考えることです」
失敗したら人に話す
「いろいろな人に話しをして、意見を求めてみると、考え方には幅があることがわかります。失敗したときに1人だけで考え込むと<落ち込みクセ>が出やすいので、自分だけで抱えないことが大切です」
「どうしたら○○できるだろう」と未来思考で考える
「落ち込みがちな人は『なんで○○できなかったんだろう』と過去に目を向ける傾向にあります。そうではなくて『どうしたら○○できるだろう』と未来に目を向けると落ち込みは減ります。具体的な目標は紙に書き出してみることで、より客観的な視点を持つことができますよ」
他人と比べすぎない
「未来思考の話と関連しますが、過去に目を向ける人は、他人と比べる場合も自分より出来る人、バイトなら先輩と比べる傾向にあります。『先輩はできるのに、それに比べて自分は…』と落ち込むより、『先輩みたいになるにはどうしたらいいだろう』と考えれば前向きになれますね」
「人は極度なプレッシャーを感じると、呼吸が浅く速くなるものです。呼吸が浅いと頭の回転が悪くなったり、物事が手につかなくなってしまったりします。まずは深くゆっくり息を吸って、長く吐き切るように心がけてください。深呼吸をして副交感神経の動きを活発にしてあげると、リラックスした状態になれます」
バイトの失敗は悪いことばかりではない
「昔から『失敗は成長のもと』とよく言いますが、失敗は重ねていいのです。失敗するからこそ人の気持ちがわかるようになったり、仕事がスムーズにできるようになったりします。落ち込むことも悪いことではありません。多かれ少なかれ、誰だってみんな落ち込むもの。落ち込んだ時に考え方の視点を少し変えられれば、失敗をうまく活かすことができるようになると思います」(柳原さん)
いかがでしたか?
落ち込むのは、人それぞれが持つ考え方や行動のクセが強く出てしまうからなのですね。でも、逆にそのクセが自分の強みにもなる!失敗を恐れず、前向きにバイト生活を楽しみましょう。
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柳原里枝子さん
産業カウンセラー・認定心理士・看護師
株式会社ハートセラピー代表取締役
行政・企業・大学等において、メンタルヘルスやハラスメント対策研修、カウンセリング、職場環境改善支援などを行う。
メンタルヘルス対策部門 http://www.heart-t.co.jp/
ハラスメント対策部門 http://www.heart-c.com/
取材・文/福田 彩
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