電話の敬語・話し方のマナー|バイト先ですぐに使えるサンプル20パターン
バイト先のお店や会社にかかってきた電話に出たり、自分から取引先やお客様などに電話をかける機会がある人もいるでしょう。正しい電話応対ができていますか?電話では相手の顔が見えない分、言葉遣いや敬語、話し方などに注意して対応する必要があります。今回はバイト先で電話応対するときに注意したい敬語表現や、話し方のマナーについてご紹介します。
【目次】
電話の敬語・話し方/基本編
バイト先で電話応対するときは、普段友人や家族と電話で話すときとは違った言葉遣いを求められます。電話の話し方の基本を覚えておきましょう。
かかってきた電話に出て名乗る
○お電話ありがとうございます。居酒屋タウンの山田でございます。
電話を受けているのに「もしもし」と呼びかけの言葉を第一声で使うのは不適切です。電話をいただいたお礼の後に、勤務先と自分の名前を名乗るのがビジネスマナー。最後は「ございます」の代わりに「居酒屋タウンの山田です」でも大丈夫です。
3コール以上待たせてしまった
○大変お待たせいたしました、居酒屋タウンでございます。
ビジネスでは、かかってきた電話は2コール以内に出るのが基本です。お店が混んでいるときなど、3コール以上電話を取れなかったときは、第一声で「大変お待たせいたしました」と伝えましょう。
相手に名前を聞く
○恐れ入りますが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
よくある間違いですが、「頂戴」は本来、物に対して使う言葉で、名前に使うのは不適切です。相手が名前を名乗らずに「〇〇さんいますか?」といわれたときは「恐れ入りますが」というクッション言葉を挟んだ上で、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」と尋ねましょう。「どちら様ですか?」は直接的すぎてビジネスシーンでは不適切です。
相手の名前を確認する
○株式会社タウンの佐藤様でいらっしゃいますね?いつもお世話になっております。
相手が名乗ったら、名前を復唱しましょう。その際、「〇〇様でございますね?」ではなく、「〇〇様でいらっしゃいますね?」と言うのがポイント。「ございます」は丁寧語のため、相手の名前を言うときは尊敬語の「いらっしゃる」を使います。
誰かに取り次いでほしいといわれた
○山田でございますね?確認いたしますので、少々お待ちください。
相手が取り次いでほしい人が店内にいる場合でも、そのことを正直に伝えるのは望ましくありません。例文のように「おります」と伝えてしまうと、山田さんが接客中などで応対できない場合、電話をかけてきた相手に「居留守を使った」と思われる可能性があります。
電話の敬語・話し方/受け方編
バイト先での電話の受け答えが不適切な場合、勤務先のイメージまで悪くなってしまいます。電話を受ける際の正しい敬語や話し方をマスターしましょう。
担当者が席を外している
○申し訳ありません。山田はただ今、席を外しております。戻り次第、こちらからお電話させるようにいたしますが、いかがでしょうか。
担当者が不在の場合はまず謝罪し、「ただいま席を外しております」「ただいま外出しております」などと状況を伝えます。折り返しの連絡が必要かどうかを尋ね、必要と答えた場合は相手の電話番号や、電話を掛けてもよい時間帯などを確認し、メモを取りましょう。
担当者の代わりに用件を聞く
○恐れ入りますが、ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?
担当者がいない場合は、用件を尋ねてメモを取りましょう。その場合、「どのようなご用件ですか」と聞くと、不躾な印象を持たれてしまいます。「恐れ入りますが」と伝えてから、「ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?」と確認を求める形で尋ねましょう。
営業時間を聞かれた
○本日の営業時間は午前11時から夜10時まででございます。
「なります」は、「冬になると寒くなる」「仕事ができるようになる」など、変化を表す言葉です。すでに決まっている営業時間を伝えるときは「ございます」を使いましょう。
伝言を頼まれた
○かしこまりました。山田に申し伝えます。
例文のように「お伝えします」と言うと、他社の人の前で自社の人を丁寧に扱うことになります。「申し伝える」という謙譲語を使いましょう。また、「かしこまりました」はビジネスでよく使う敬語表現なので、覚えておくと就活のときなどに役立ちます。
電話の声が聞き取りづらい
○申し訳ございません。お電話が少々遠いようですが。
電波の状況や相手の声量・話し方、受話器の機能などによっては、相手の声が聞き取りづらいことがあります。聞き取れなかった場合、同じ内容を再度話してもらうことになるため、まずお詫びを伝えましょう。その際は、「聞き取りづらい」という直接的な表現ではなく、「電話が遠い」と電話のせいにすることで、相手を責めているわけではないと伝えることがポイントです。
担当者あてではなく、用件で電話がかかってきた
(「さっき買った弁当の料金のことで聞きたいんだけど」とかかってきた)
○申し訳ございません。あいにく店長が外出しておりまして、戻り次第、お電話するよう申し伝えます。
○お弁当の料金の件でございますね。店長の山田におつなぎいたしますので、少々お待ちください。
特定の担当者宛てではなく、お客様からお店や業務内容に関する用件で電話がかかってくることがあります。その場合、自分で答えるのではなく、店長など責任者がいる場合は、応対を頼みましょう。その際は「電話を代わります」ではなく、「おつなぎいたします」という敬語表現を使うことで、相手に敬意を払った言葉遣いになります。
間違って電話を切った相手からまたかかってきた
○先ほどは誤って電話を切ってしまいまして、申し訳ありませんでした。おかけ直しくださいまして、ありがとうございます。
電話対応中に誤って電話を切ってしまった場合、相手が取引先などでナンバーディスプレイで電話番号がわかる場合は、自分からかけ直しましょう。相手から再び電話がかかってきたとき、「あ、すいません」「失礼しました」などと言うのは軽すぎて、失礼な印象を与えることがあります。丁寧なお詫びと、かけ直してくれたことへのお礼を伝えましょう。
バイト先の人に「いないと言って」といわれた
○申し訳ありません。山田は外出しております。帰社時間はわかりかねます。
担当者が忙しく電話に出られない場合や、しつこい営業電話などの場合、「取り次がないでほしい」といわれるケースもあるでしょう。その場合は居留守であることを気づかれないような表現を使いつつ、戻り時間についてはできるだけあいまいに伝えましょう。
電話の敬語・話し方/かけ方編
かかってきた電話を受ける以外に、自分から取引先やお客様などに電話をかけるケースもあります。バイト先で電話をかける際の敬語や話し方を知っておきましょう。
自分の名前を名乗る
○お世話になっております。居酒屋タウンの山田と申します。恐れ入りますが、佐藤様はいらっしゃいますでしょうか?
自分から相手に電話をかける場合には、まず自分の所属するお店や会社の名前と、自分の名前を名乗ります。また、初めてのところに電話する場合の第一声は「お世話になっております」ではなく、「初めてお電話させていただきます」が基本です。
相手の戻り時間を確認する
○恐れ入りますが、山田様は何時頃、お戻りになりますか?
話したい相手が不在の場合、戻り時間を聞いておけば、何度も電話をする手間が省けます。その場合、「お戻りになられる」という言い方は二重敬語となり、間違いです。「お戻りになる」という表現を使いましょう。
折り返し電話が欲しいと伝える
○恐れ入りますが、佐藤様がお戻りになりましたら、居酒屋タウンの山田まで折り返しお電話くださるようお伝えいただけますでしょうか?
相手が不在で、折り返しの連絡を希望するときは、その旨を伝えましょう。その場合は、「恐れ入りますが」「お手数ではございますが」などのクッション言葉の後、「手間をかけて申し訳ない」という気持ちが伝わる表現を使いましょう。
伝言をお願いする
○それでは恐れ入りますが、山田様にご伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?
不在の相手に伝言がある場合、電話を受けた人が用件を聞き、伝えてくれることになります。その際、いきなり伝言内容を言うのではなく、必ず「ご伝言をお願いしてもよろしいでしょうか?」という確認を取ってから、用件を伝えるのがマナーです。
何度も電話する
○度々恐れ入りますが、山田様はお戻りでしょうか?
急ぎの用件があるときやタイミングが合わないときなどは、何度か同じところに電話をかけることもあるでしょう。その場合、「何度もすいません」では表現が軽すぎます。代わりに「度々恐れ入りますが」という表現を使えば、丁寧な言葉遣いになります。
間違い電話をかけてしまった
○間違えました。大変失礼いたしました。
誤って別の会社や個人の携帯に電話をかけてしまった場合は、たとえ知らない相手であっても、間違えたことに対してきちんとお詫びをしましょう。再びその相手に電話をすることを防ぐため、「そちらは○○○○番ではないでしょうか?」と確認することも大事です。
留守番電話に吹き込む
○居酒屋タウンの山田でございます。急ぎの件ではありませんので、夕方4時頃、私からかけ直します。
相手が電話に出られなかったり、相手の会社やお店が休憩時間や始業前などの場合、留守番電話設定になっていることがあります。留守番電話にメッセージを吹き込む際には、相手から折り返しの連絡が欲しいのか、急ぎの用件なのか、こちらからかけ直すのであれば何時頃なのか、などを明確に伝えましょう。
基本マナーを覚えれば、バイト先での電話も怖くない!
バイト先での電話応対はプライベートとは異なるため、慣れないうちは緊張するかもしれませんが、基本的な敬語や話し方のマナーをわかっていれば、電話応対でのトラブルやクレームはその分少なくなります。今回ご紹介した記事を参考に、お客様からも、店長や上司からも「しっかりした対応だな」「丁寧で感じが良い」と評価されるような電話の敬語や話し方を身に付けましょう。
知っておきたい!よく使う敬語変換表【尊敬語・謙譲語・丁寧語】
※2017年9月20日に掲載された記事を2020年11月12日に更新しました。