履歴書の賞罰は何を書く?社内表彰や皆勤賞も書いていい?交通違反は?
履歴書の賞罰欄に記入する基準や書き方や書くべき内容がないときの記入方法などを詳しく解説します。
履歴書に書く「賞罰」とは
履歴書に書く賞罰欄の「賞」は受賞歴や表彰歴、「罰」は刑法犯罪の犯罪歴のことを指します。現在の履歴書には賞罰欄がないものも多く、その場合は書く必要はありません(表彰は自己PR欄などに書く)。
賞罰がない場合は「なし」と記入
賞罰欄がある履歴書を使用し、さらに該当する賞罰がない場合は、空欄にせず、「なし」と記載します。
「賞」の基準と記入例
明確なルールは設けられていませんが、全国大会や国際大会での受賞および表彰、官公庁からの感謝状、あるいは、受賞した業界内で認知のあるものも賞罰に入ります。
記入する場合は、年月とともに「第〇回 〇〇大会 優勝」のように書きましょう。複数ある場合は、時系列に沿って古い順に記入します。
知名度が低いもの、古すぎる受賞・表彰歴は書かないほうが無難
賞罰欄に記入する受賞歴は知名度が高いものが望ましいので、あまり知られていないものは避けたほうがよいでしょう。国際大会では入賞以上、国内大会は準優勝・優勝レベルを記入するのが一般的です。また、目安として応募する職種に関連のあるものを除き10年以上前の古い受賞歴も、採用担当者が「昔の功績にとらわれている」とマイナスイメージを抱く可能性があるため、避けたほうが無難といえます。しかし、「ぜひアピールしたい」と思う場合は、趣味・特技欄か自己PR欄に記入することは可能です。
社内表彰や皆勤賞も「賞」の対象にはならない
前述のとおり、履歴書の賞罰欄に書く賞は、一般的に知名度の高いものとされています。社内表彰や皆勤賞は対象になりませんが、応募先企業での業務に役立つ、採用のプラスになると考えられるものは、アピールしたほうがよい場合もあります。その際は自己PR欄もしくは職務経歴書に記入しましょう。
「罰」の基準と記入例
賞罰の「罰」にあたる基準は、刑事罰です。基本的に刑法犯罪による懲役刑、禁固刑、罰金刑など、有罪判決を受けて科された罰(刑事罰)を書きます。複数ある場合は、時系列に沿って古い順に並べます。罰金刑以上の確定した刑罰のみが対象となり、和解や示談は含まれないため記入する必要はありません。
交通違反は書く?書かない?
刑事処分の対象とはならない軽めの交通違反(駐車違反等)の行政罰を受けた場合、賞罰欄への記入は不要となります。だたし重大な交通違反を犯した場合(酒気帯び運転等)は刑事罰となるため、記入が必要です。その他、賞罰記入不要な履歴は以下となります。
○起訴猶予(起訴されていないので有罪ではない)
○裁判中の事件(有罪が確定していない状態)
○未成年時の犯罪歴
木村 政美(社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー)
旅行会社、セミナー運営会社、生命保険会社営業職などを経て、2004年に「きむらオフィス」開業。主にメンタルヘルス・ハラスメント・会社内での人間関係調整等など労務管理全般に携わる。近年はコンサルティング、講師、執筆活動にも力を入れており、相談件数は延べ3,000件、講師実績は延べ700件以上(2019年現在)。
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