大学生必見! 夏休み中に始める、脳がみるみる活性化する習慣5
毎日同じ行動や生活をしていると、カラダだけでなく頭まで、ぼんやりなまっていく感覚がしませんか? 特に夏休み中はつい、ぼーっとして時間を無駄に浪費してしまいがちですよね。
でも実は、日常の何気ない習慣を変えることで、脳を活性化させることができるのです。
ということで今回は、脳を成長させるための脳研究、脳トレーニングの専門機関「脳の学校」代表の医学博士・加藤俊徳先生に、“楽しみながら実践できる脳の活性化習慣”を5つお聞きしました。
その1:朝「鏡の前でいつもと違う服装を考える」
「手持ちの服をずらりと並べて、自分に似合う新しいコーディネートを考えてみましょう。いろいろなパターンを比較したり、意外に似合う組み合わせを見つけたりすると、“理解系の脳番地”と言われるところがイキイキと元気になってくるんです」と先生。
出かける前、毎日しているはずのコーディネート作り。でも、このTシャツにはこのパンツ、といつも同じパターンになっていませんか?
いつもと違うパターンを生み出すことで、脳が成長するばかりでなく、新しい自分にも出会えるかも! これはやってみるしかないですね。
その2:授業中「妄想ノートをつくる」
「頭に浮かんだことは、そのままでは漠然としたイメージにすぎませんが、文字にすることで脳がその内容をより強く認識するんです。それによって自分の欲求を客観的にとらえることができるんですよ」と先生。
「具体的には、やりたいこと、行きたい場所、会ってみたい人など、頭に浮かんだ欲求を書き留めていく、名付けて『妄想ノート』を作るのが良いですね。これは視覚系、思考系、理解系の脳番地を鍛えることにつながります」
さらに脳は、方向性が明確に示されることでそれを実現しようとする性質があるから、妄想ノートを書くことが夢への一歩へとつながるそうなんです!
授業中やバイト中に、と言ったら怒られてしまいそうですが、ちょっと眠い時やスキマ時間などに、お気に入りのノートで始めてみてはいかがでしょうか?
その3:ランチタイム「女性は立ち食いそば、男性はデザートバイキングを食べる」
先生曰く「人にどう思われるかを気にしすぎていては、本当の自分の欲求がわかりません。普段感じていないことを感じることで、“自分ってこうだったんだ”という発見があり、本当の欲求が見えてくるんです」とのこと。
「具体的にはお昼時、女子なら立ち食いそば、男子ならデザートバイキングなど、恥ずかしくて抵抗感があるけれど、人の視線を全く気にしないとしたら行ってみたいところに思い切って行くと、脳が活性化します。
余計なことを考えすぎて、脳を刺激する機会を失うのはもったいない。ぜひ、他人の視線をはねのけるトレーニングとして、実践してみてください」
本当の自分の欲求を知ることが、脳の活性化につながるんですね!これを機に“脳のため!”と言い聞かせて、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
その4:バイト中「5人以上の“知らない人”と話す」
「人と話すということは、膨大な情報を受け取るということ。だから脳は、人と対話をする時、聴覚系をはじめ理解系、伝達系、感情系など、さまざまな番地をフル稼働させています。
中でもまったく見ず知らずの人と話をすることは、コミュニケーションに慣れがないため、脳を鍛えるには最適です!」
あなたは一日に、家族、友達、恋人……それ以外の人と話すことはあるでしょうか?
接客業のアルバイトをしている人であれば、少しの意識で多くの人となにげない会話をすることも可能ですよね。
そうでなくても、立ち寄る店の店員さんや、授業で偶然隣りに座った人など、よく見れば今よりもっと人と話せるチャンスはあるはず。ぜひ挑戦してみましょう!
その5:いつでも!「何歳になっても、16歳だと思って生活する」
「常に実年齢より若い意識で生活することが、脳に良い影響を及ぼします。意識を変えることで、思い切ってチャレンジできることはもっと増えるはず。これまで見えなかった欲求を見つけるためにも、ぜひあなたの時計を少し巻き戻してみてください」と先生。
まだまだ若い大学生や20代の皆さん。それでも、年々「もう若くないよね~」なんて、友達と言い合ったりしていませんか?
人は年齢を重ねるごとに先入観を持つようになるから、本来脳にどんどん入れなければならない新しい情報や経験をシャットアウトしてしまったり、人からどう見られるかを考えて欲求を抑えたりしてしまうそう。
“小さい頃は女優さんになりたかったけど、もうこの年から目指しても…”なんて言わず、本当にやってみたいことに今、チャレンジしてみましょう!
受験でフル回転させた脳が、コミュニケーション能力不足の原因に!?
取材時、“大学生などの若い人にこそ、頭を変える習慣を付けて欲しい”とおっしゃっていた加藤先生。その理由は、一体なぜ?
「大学生の中には、頑張って打ち込んできた受験が終わり、何かにやる気を持つことが難しくなっている人も多いと思います。
でもそんな今こそ、これまで使ってきた脳番地“以外”の部分を使うことが重要です。受験生活は、暗記などを繰り返すため、特定の記憶系脳番地だけを使うことに特化しがち。
さらに、集中する為に人とあまり接しない生活を続けてしまうと、感情系の脳番地の力は弱まってしまっています。これにより、脳はいびつな状態に」
「生活を変えないと、自分自身への理解が深まらないまま社会に出ることになり、様々な人との関わりが必要になった時には、コミュニケーション能力の欠如として表れることもあるのです。
だから余裕のあるこの夏休みの間にこそ、ぜひ習慣を変えてみましょう。脳から出しているはずの自分の本当の欲求を見つけながら、脳をバランスよく成長させてくださいね!」
バランスの良い脳の成長は、将来の認知症防止にもつながるなど、生涯にわたって自分を助けてくれそう。ぜひ今から良い習慣を楽しく身につけて、長く続けていきましょう!
文:磯まや 企画:エフェクト

加藤俊徳先生
医師・医学博士。「脳の学校」代表。加藤プラチナクリニック院長。
発達脳科学・脳機能生理学・脳画像MRI・脳機能計測の専門家。
胎児から100歳を超える老人まで1万人以上の脳画像を分析。「脳番地」を用いた脳トレーニング法を提唱する。著書はベストセラー「脳の強化書」「もっと脳の強化書2」(あさ出版)、「脳の学校ワークブック」(ポプラ社)、「家事で脳トレ65」(主婦の友社)、「脳科学的に正しい英語学習法」(KADOKAWA)、「高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか?」(PHP新書)など多数。
http://www.nonogakko.com/
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