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2018年12月19日

【弁護士が回答】これって払わないといけないの!? アルバイトで損害賠償を請求されたときの対処法


アルバイトでのトラブルで、もしもバイト先から損害賠償を請求されたらどうすればいい? バイト内で起こりうるトラブルのケースごとに、払う義務はあるのか、法律の専門家に教えてもらいました。

【目次】

ケース1:バイトを無断欠勤、そのまま突然辞めてしまった場合

Q.バイトに無断欠勤してしまい、気まずくなってそのまま行かずにいたら、損害賠償請求が届いた。どうすればいい?

A.損賠賠償が認められるケースは少ないが、誠実な対応が求められる

法律的な観点からみると、実際に雇用主からの損害賠償が主張どおり認められるケースは少ないです。誰かが欠勤するときに備えた労務管理も含めて雇用主が前もって考えておくべき事柄ですから、欠勤による損害は労働者の責任とはいえず、因果関係に乏しいといえます。また、損害が何から何まで請求できるわけではなく、労働者保護の観点もありますので、因果関係が仮にあったとしても請求される金額はかなり少額になることが多いです。

ただし、誠実な対応は重要になります。具体的には雇用主からの連絡は無視しないなど、トラブルに発展する前に誠実に対応していくことが大切です。

ケース2:「辞めたい」と言っても聞いてもらえなかったので行かずに辞めた場合

Q.店長に辞めたい旨を言ってもまったく受理してもらえなかったので、行くのをやめたら損害賠償請求が届いた。どうしよう…

A.まずは、辞職届など形に残る方法で意思表示をすること

最初にきちんと辞職願あるいは辞職届を出すこと。その上でさらに損害賠償請求が続くようであれば弁護士に間に入ってもらうことを検討すべきでしょう。

バイトの場合には辞める自由は制限されており、辞めるにはやむを得ない事情が必要とされています。ただし、実際はやむを得ない事情は広めに考えられており、パワハラや採用時の説明との相違など、辞められる場合がかなり多いといえます。つまり、辞めてよいケースが多いのです。

「辞めたい旨を言っても」というのは、言った言わないの水掛け論になってしまい、結局「辞めたいとは言われていない」と主張されてしまうと、先の無断欠勤と同じ状況になってしまいます。内容証明郵便などの形に残る方法で意思表示すべきでしょう。

その上でなお損害賠償が続くようであれば、しっかりとした対応が必要です。無断欠勤の場合と同じように、雇用主側の損害賠償が認められるケースは限定されています。安易に応じることなく、専門家に相談しましょう。

ケース3:ミスで備品を壊した場合

Q.飲食店でバイトをしていて、掃除中に棚にぶつかりお皿やグラスが数枚割れたら、お金を請求された。どうすればいい?

A.わざとでない軽過失は請求に応じる必要はほとんどなし

請求に応じる必要はないことがほとんどです。バイト中のミスをバイトが負うのか、雇用主が負うのかはミスの程度によります。よくあるような不注意(軽過失)であれば、請求に応じる必要はありません。一方、かなりひどい不注意(重過失)であれば、請求に応じる必要があります。

この軽過失と重過失の区分ですが、ざっくりと言うと「わざとに近いのが重過失」となります。つまり、掃除中に棚にぶつかることは仕事をしていればよくあることであり、基本的には軽過失に当たりますが、皿を放り投げて片付けるようなら重過失となり得ます。

上記からすると、請求されたとしても、支払う必要がないケースがほとんどです。支払いを拒否してもなお請求してくるようであれば、法律の専門家に相談してみましょう。また、損害額を給料から天引きすることは、よほどのことがない限り認められていませんので、これも同様に法律家に相談しましょう。

ケース4:契約期間前に辞めたいと伝えた宿泊費などを請求された

Q.リゾートバイトで契約期間前に辞めたいと伝えたら、それまでの宿泊費などを請求された。どうすればいい?

A.辞める際には形に残る方法をとること。宿泊費は払わなくてよいケースがほとんど

こちらもまずは辞職届など形に残る方法で辞職の意思を伝えておくことが重要です。

リゾートバイトも、通常のバイトと同じように、辞めるにはやむを得ない事情が必要です。例えば、環境がひどすぎるといった事情が理由の1つとなるでしょう。宿泊費などの請求は、払わなくてよいケースがほとんどです。契約書に記載されていたとしても、その部分は無効となることが多いです。もし請求がきてもすぐに払わず、専門家に相談してから対応しましょう。

ケース5:運転中のバイクで事故を起こしたら損害請求された

Q.デリバリーの仕事をしていた際、こちらの前方不注意でバイクを損壊してしまった。どうすればいい?

A.明らかな過失でない場合以外、修理費用の負担をすることはほとんどなし

こちらはケース3と同様で、バイトが責任を負う場合は、重過失に当たるときです。前方不注意のレベルにもよりますが、重過失を言われてしまうのは飲酒運転など明らかな過失がある場合で、そのケースは少ないと思われます。

ですので、バイクの修理費用を負担することは少なく、仮に負担するとしても全額負担することはほとんどありません。そのため、請求されてもすぐに支払いに応じる必要はなく、さらに強く請求されたりあまりにも高額だったりした場合には、専門家に相談するようにしましょう。

ケース6:お客様の服を汚して客からの損害賠償請求が自分にきた

Q.ホテルのラウンジでバイトをしていたら、お客様の高そうな毛皮にコーヒーをこぼしてしまい、お客様が大激怒。ホテル側に損害賠償を請求され、その額がそのまま自分にきてしまった。

A.請求に応じる必要はほとんどなし。給料から天引きされた場合は専門家に相談を

やはり請求に応じる必要がないケースが多く、ましてや客の請求額全額を払う必要がある場合はほとんどありません。ラウンジでものをこぼしてしまうのは、比較的よくあることです。したがって、重過失に問われるケースは少ないでしょう。また、客の請求額がそのまま損害になるわけでもありません。

もし請求された場合は、支払わないと伝えた上で、バイト先からどうしても支払えと強く言ってくるのであれば、専門家に相談しましょう。また、給料から請求額が天引きされた場合は、よほどのことがない限り天引きは認められていないので、こちらも専門家に相談して対応しましょう。。

わざとでない限り、支払う必要がない場合がほとんど

“わざとに近い”などの明らかな過失がない場合、支払う義務がないケースがほとんどです。ただし、辞める際に黙って辞める、過失を隠すなど不誠実な対応をとると状況は変わるので注意。過失をした場合は誠実な対応を心掛けてください。また、バイト先の規則などさまざまなケースがあるため、不安なときは弁護士や法律相談窓口などで専門家に相談するようにしましょう。

■監修者プロフィール
神尾尊礼
彩の街法律事務所 代表弁護士
刑事事件から家事事件、企業法務まで幅広く担当。生活全般や企業活動全般を得意とし、退職相談を受けることも多い。モットーは「敷居は低く満足度は高く」。
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